佐藤貴史『ドイツ・ユダヤ思想の光芒』(岩波書店、2015年) 20世紀ドイツのユダヤ思想 本書では、主に20世紀のドイツ・ユダヤ人の思想家たち——ヘルマン・コーエン(Hermann Cohen, 1842-1918)、マルティン・ブーバー(Martin Buber, 1878-1965)、ゲルショム・ショーレム(Gershom Gerhard Scholem, 1897-1982)、レオ・シュトラウス(Leo Strauss, 1899-1973)——が、ニーチェとスピノザという偉大な思想家を参照軸としつつ、取り扱われている。 ユダヤ人は〈常にすでに〉抑圧された宗教的民族ではあったものの、ヒト…