Malèna
第二次大戦下のイタリア、シチリア島。12歳の少年レナートは、町1番の美女マレーナに性的興奮を感じ、彼女とのセックスを夢想するようになる。だがマレーナの夫が戦死したとの訃報が届き、余りの美しさから住民たちから嫉妬されていた彼女は、転落の道を進みだす。が、レナートに出来るのは、そんな彼女を見つめるだけであった。
CMで一緒に仕事をしたトルナトーレが最初からモニカ・ベルッチ起用を決めていたドラマ。画面に映し出されるベルッチは、豊かな胸、ガーターベルトと太ももと、トルナトーレの視線でかなりネチッこく撮られている。だがそれこそ、少年レナートの視線そのものであろう。終幕は一種ハッピーエンディングにも取られるが、その実何故受け入れられたかを考えると、残酷さを感じざるを得ない。
撮影、音楽はイタリアらしい土着を映し出して秀逸。
109分のイタリア公開版はレナートの性的妄想場面が増え、映画の解釈が分かり易いものとなっている。国内盤DVDはPALからの変換版で画質も悪く、音も早回しなので、折角のモリコーネの音楽が半音高い別物に聴こえるのが難点。
*1:Rated R for sexuality/nudity, language and some violence.