* 資本主義リアリズムという病理 今日の現代思想シーンにおいて大きな潮流を形成する「加速主義」の代表的論客の一人としても知られるイギリスの批評家マーク・フィッシャーはその主著『資本主義リアリズム』(2009)において現代を席巻するグローバル資本主義がもたらす病理を「資本主義リアリズム」と名指し、その特徴を次のように述べています。 現代思想2019年6月号 特集=加速主義――資本主義の疾走、未来への〈脱出〉 作者:千葉 雅也,河南 瑠莉,S・ブロイ,仲山 ひふみ,木澤 佐登志 青土社 Amazon まず「資本主義リアリズム」の第一の特徴は「再帰的無能感」と呼ばれるものです。それはよく知られた「資…