1980年代から築かれてきたアメリカと中国の関係は、ここ10年で徐々に悪化していたが、次第に加速し、亀裂から対立の様相を呈してきた。(まるで、同居パートナーの不仲が嵩じ、一方が「あれだけ良くしてやったのに、このざまか」、他方が「養ってもらったわけじゃない、あんたもいい思いしたろ?」とののしりあい、互いの荷物をまとめ始めた感じである。) 国際政治のリアリスト:ミアシュマイアーの見解を見てみよう。 2014年来のウクライナ危機についての彼の見解は、①危機を挑発したのは欧米のNATO東方拡大政策であり、②ウクライナは、大国間の中立的バッファー(緩衝国)と位置付けるべきだ、というものであった。この見解…