真偽のほどは定かではないが、宮沢賢治は生涯童貞だったらしい。この話を知った当時の自分は、何故か心の底から安堵した。恐らく、高校生だった。当時の自分は、勉強もスポーツもできない、陰気な学生だった。異性からモテる要素が皆無であった。性欲は人並にあり、また、性欲に付随する形で「他人を愛し、他人から愛されたい」という願望もあった。パートナーがいない為、その欲を発散させる術は、もっぱら自慰しかないのだが、果ては虚しさしか残らない。当時、三木道山というレゲエ歌手が流行っていて、その歌詞に「一生一緒にいてくれや♪ 愛のあるセックスに精ぇだしたり♪」なんてのがあったが、自分はその歌詞を「愛のあるセックスができ…