前回のつづきです。 片山廣子(松村みね子)さんが大正13年に発表された翻訳小説、 ジョン・コーノス作「茶をつぐ女」のストーリーをほんの少し紹介しましょう。 妻を亡くしたペトロッフは毎日午後4時になると時計のように家に帰っていく。家ではサモワール(ロシア式の湯沸かし)が彼を待っている。 そのサモワールは彼が一目惚れのように見つけたもので、同時に彼は妻も見つけたのだった。 二人の暮らしは妻の突然の死で途絶した。それからは唯、彼は毎日同じ時刻に仕事を終えてサモワールのある家へ帰る。。 ところがある日、いつもと同じ帰り道の途中で、なぜか理由もなく分かれ道を別の方向へ入ったがために・・・ ・・・というも…