眠れないことがあります。 不意に、漠然とした不安におそわれて。 毛布にくるまりまんじりともせず、でもそんな時は諦めてベッドから出て、カーテンを開けると夜空にお月様が光っていたら。 パジャマ代わりのスウェットにダウンだけ羽織り、首にグルグルマフラー巻いて、素足にニューバランスで夜の街へ。 吐く息が、闇に白く浮き上がってる。 お正月の三が日はもう過ぎたけど、まだ松が取れないまだ松の内。 日中は初詣でさぞや賑やかだろうけど、今はそんな喧騒ノーサンキュー。 この時間の、ミッドナイト善光寺はシンとして、私のけだるい足音だけが門前にこだまする。 本堂までのびる石畳は、青白い光が私をエスコートするナビゲーシ…