Blow Out
B級映画専門の音響効果マンが、偶然交通事故を目撃する。辛くも1人の女性を救出するが、車に乗っていたのは選挙の立候補者だった。偶然録音した事故の音声を再生すると、銃声らしきものが収録されていた・・・。
『殺しのドレス』に続くデ・パルマ映画は、華麗な映像テクニックを駆使しつつも悲痛な映画となった。後味の悪い結末の為に、大作にも関わらず興行的には奮わず、制作費を回収出来なかった。しかし美しくも悲痛ゆえに、タランティーノらに熱狂的に支持されるカルト作品となったのも事実であろう。
デ・パルマ演出は快調で、録音テープと雑誌に掲載された事故の連続写真を使っての再現フィルム作成場面などわくわくさせられるし、終盤の展開など緊張感たっぷりに盛り上がる。出演陣はデ・パルマ作品顔なじみを揃えているが、特に殺し屋役ジョン・リスゴーが不気味で恐ろしい。
意味不明な邦題はともかく、原題はパンク音と「消す」ことのダブル・ミーニング。