21世紀初頭、ミャンマーは20年間も憲法を無視した軍事独裁政権が続いていました。しかし、2008年に憲法ができ、2011年に軍最高司令官とは別の大統領が憲法にのっとって就任し、2016年に民主選挙による政権移譲が行われました。ミャンマーの民主化は着実に進展していたのです。 「一度進みはじめた民主化を止めることはできない」という考え方があります。「ミャンマー現代史」(中西嘉宏著、岩波新書)によると、「ミャンマーは軍事政権には戻らないといった声が支配的に」なっていましたし、著者もそう言っていたそうです。 しかし、2021年2月1日の軍事クーデターで、ミャンマー政治の最高権力者のアウンサンスーチーや…