子育てに限らず、家族や知人や同僚など、人間の社会の中で望まない齟齬や誤解が発生しても、やがてありのままを包括し、認め合いながら生きていけるようになるためのヒントになってくれたら嬉しいし、デルスにも示しがつく。(本書 「はじめに」より) これはヤマザキマリさんが息子のデルスくんの子育てについて語った本です。「自分にはこんな発想はなかったなあ」「こんな風に考えることができたらいい」という発見がいっぱいある本でした。自分は「家族は普通こうあるべき」という枠にはまった思考しかできていなかった、と気づかされました。 デルスくんは両親と一緒にポルトガルに転居してすぐに、言葉もよく分からないまま、3泊4日の…