覚醒剤の名で知られ、中枢興奮作用を持つ有機化合物。
日本の化学者である長井長義の手により、1893年にアンフェタミンの窒素原子上にメチル基が置換して初合成された物質で「C10H15N」の分子式で表される。「覚醒剤」と定義される物質にはメタンフェタミンのほかにアンフェタミンなどがあるが、日本の闇市場に出回っている覚醒剤は基本的にこのメタンフェタミンであるため、日本で一般に「覚醒剤」と言われる場合はほぼこのメタンフェタミンのことを指している。英語表記は「Methamphetamine」または「Methylamphetamine(メチルアンフェタミン)」。
外観は白い無臭の結晶で、舐めると苦い。摂取方法は炙った煙を吸ったり、鼻孔注入、静脈注射など。
種々の薬物中毒者のうちでも、ヘロインのそれと並んで、極めて危険な種の中毒者*1を生み出す物質である。
この物質との長い付き合いの歴史を持つ日本を差し置いて、近年のアメリカ合衆国では乱用者の増加が急速に進んでおり、政府によれば使用経験のあるアメリカ人は1200万人以上に及ぶとされ、その汚染はこれまでにない危機的な状況にあるという。*2
2014年5月20日に国連薬物犯罪事務所(UNODC)により公表された「世界の合成薬物報告」では、メタンフェタミンの押収量がアジア太平洋地域を中心に急増し、同地域で2012年に過去最大の36トンに達したとしている。また薬物取引により大きな利益が見込める日本が主な密輸先のひとつとされている*3。
覚せい剤 - 脳科学辞典
- 中枢神経の興奮作用:気分爽快、自信増加、積極性増加、精力増進、疲労感減少、多弁、不眠、常同行動
- 交感神経の刺激作用:瞳孔散大、立毛感、心悸亢進、末梢血管の収縮、四肢の冷感、血圧上昇、狡猾、腱反射の亢進
- 食欲減退作用
- 強い渇望感を伴う依存の形成
- 錯乱、幻覚、妄想などを伴う中毒性精神病の発現
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など
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