貸本マンガが育てた読書熱(イメージ) 序章:テレビで再統合された物語の“もう一つの出口” 第5回で見たように、高度成長期のテレビは“全国共通の文脈”を再び日本に取り戻した。家庭には同じ映像が流れ、同じCMに笑い、同じアイドルを語り、同じドラマの最終回で涙した。この全国的な同調の強度は、2020年代の私たちからすると想像しにくいほどだ。 しかしテレビが“物語の中心”として君臨したその裏側で、もうひとつ、別の種類の物語が静かに育ちはじめる。 テレビが広げた“共通の風景”の中で、マンガは逆に読者の“個々の感情”を深く掘り下げていった。 この「統合」と「分岐」の二重構造こそが、のちに日本のサブカル文化…