子供の頃、ビデオテープが擦り切れるほど観た一本の映画がある。 ディズニーの『メリー・ポピンズ』だ。 声楽を学んでいた父が大好きで、一家で何度も何度も観た。 淡い記憶の中では、作中のメリーポピンズに、初恋に近いような特別な感情を抱いた作品かもしれない。 そんな、僕の人生を形作る大事な"ギア"の一つが、まさか半世紀以上の時を経て、現代の技術で蘇るなんて。 初めて『メリー・ポピンズ リターンズ』を観た時、子供の頃に感じた、あの魔法のような感動が、大人になって固くなった心に、じんわりと染み渡るのを感じた。 現代に蘇った魔法の「お薬」 『メリー・ポピンズ リターンズ』の舞台は、大恐慌時代のロンドン。 大…