19世紀の一修道士が、静かな修道院の庭で育てたエンドウ豆。その小さな実の中には、後世の生物学を大きく変える「法則」が潜んでいた——。 今回は、7月20日生まれの「遺伝学の父」グレゴール・メンデルについて、彼の人物像や苦悩、そして再評価に至るまでの感動的な物語をエピソードと共にご紹介します。 ■ 「自然の中に真理を見る」農家の少年時代 メンデルは1822年7月20日、当時オーストリア帝国領だったハインツェンドルフ村(現・チェコ)で生まれました。家は代々続く貧しい農家。メンデル少年は幼い頃から植物や昆虫を愛し、農作業に勤しむ傍ら、**「なぜこの花は紫で、こっちは白なのか?」**と素朴な疑問を持つよ…