この1,2ヶ月くらいで韓国映画を観た。『タクシー運転手 約束は海を越えて』、『ソウルの春』、『モガディシュ 脱出までの十四日間』、『パラサイト 半地下の家族』、『国際市場で逢いましょう』、『大統領の理髪師』の6本だ。このうち『パラサイト』以外の作品は朴正煕以降の、軍事力を背景とした勢力が政権を握る時代を背景とした、現代史の作品だ。とりわけ『タクシー運転手』と『ソウルの春』はそれぞれ軍部による戒厳令下での虐殺(光州事件)と、その軍部が一夜にして政治的な実権を握る過程を描いた作品であり、それは昨年12月に世界に衝撃を与えた尹錫悦大統領の戒厳令騒動を想起させる。 同じ民族同士で嫌悪しあう悲哀、武装し…