ユキオは困っていた。なぜ、これはこんなに美味しくないのだろう。 ユキオの父親は転勤族だった。おかげで家族も色々な場所に行った。 地方都市も多かったが大都市もあった。大阪の生活は三年だった。京阪電鉄の走る街、枚方に。日本を代表する電機メーカーの町。まぁ、そこは城下町だった。 駅前の商店街にお好み焼き屋があった。たしか「よっちゃん」。 父が日曜の夜に連れて行ってくれたのだろう。 モダン焼きというのがある。とても美味しい。そう父は言う。鉄板の向こうでオヤジさんが焼いていた。 ああ、これは東京のものとは違うのだな。そうユキオは思う。母親がお好み焼きが好きで、良く焼くのだったが。しかしそれは単なる水溶き…