どれくらい前だろうか。 映画やゲームの制作現場でモーションキャプチャが話題になりはじめた頃、 私はこの技術で、伝統芸能や伝統工芸の「手業」を、 いまのうちに記録しておいた方が良いのではないかと考えた。 あの熟練された美しい動きをする人達の流れるような軌道が、 人口減少や後継者問題で、先細りになっていく後世に、 はたして残るだろうかと思ったのがきっかけだ。 もっとも、人間の動きを記録しようという発想自体は新しくない。 19世紀には連続写真による動作解析が行われていたらしい。 それでも、身体の軌跡を三次元データとして精密に保存できるようになったのは、 90年代以降、そして21世紀に入ってからのよう…