石塚裕子訳『デイヴィッド・コパフィールド(五)』(岩波文庫)残念というか,こまったことに第5巻は書店ではみつからなかった.ネットでみるとそもそも第1巻から絶版.小さな書店に残っているかもしれない程度.中古で入手するしかない.※近所の図書館には,岩波文庫はほとんど購入されない.新潮文庫版は売っているようだ.**ディケンズの「自伝的長編」ということだが想像では,自伝からはほど遠い.エミリーをあてもなくさがす旅を続ける ペゴティー兄の姿は,私たちがもっとも認めたい人間の強く美しい愛であるし,エミリーに裏切られた許婚ハムは.エミリーへの思いとステアフォースに対する姿勢は悲劇的であるのに崇高な精神をもっ…