新映画原理主義・第十回「時代を通じての妖術~ ベンヤミン・クリステンセン」 第一章 役者としての出発 ベンヤミン・クリステンセンは、1879年9月28日、デンマークのヴィボルグで12人兄弟の末っ子として生まれた。彼は当初医学を学んでいたが、演技に興味を持ち1901年にコペンハーゲンのデット・コンゲリーゲ劇場(デンマーク王立劇場)で勉強を始めた。クリステンセンのプロ俳優としてのキャリアは、07年に港湾都市オークスにあるオーフス劇場で始まったと言われているが、一時ワインのセールスマンをして生計を立てていたという話もあり、それまでの経歴には不明な点も多い。オーフス劇場ではオペラ歌手としてデビューも果…