入院中のある晩、雷鳴で目が覚めた。 ブラインド越しに時折外が明るくなる。隙間から覗いてみると、遠くにある山並みがイルミネーションかプロジェクトマッピングかのように光っていた。いや、エレクトリカルパレードかな。 北関東出身なので雷には慣れている。夏の夕立は日常だったし、雨の降る前の匂いや雨上がりのひんやりした空気が懐かしく思い出された。 子供時代、雷が近いときはさすがに怖かった。雷が光ると耳を塞ぎ鳴る音に備える。落ちた時の音は文字にすると「ミシミシ ガラガラガッシャーン」。立て続けに何度も落ちることもある。形容できないほどの大きな音、自然の力強さ、そのエネルギーは凄まじいものだった。 そんなこと…