もういっかあ、って思えた。それはほんとうに唐突だった。子どもの頃からこれじゃなきゃだめで、いいかげん使い古してぺらぺらにすり減ってしまったお気に入りの毛布。耳の破れたところを繕わなきゃ。しっかりと繕って、夜またこれをかぶって寝る。寝て起きて、一生一緒にいる。そう思っていた。だけどあるとき急に、そうまでしてわたしにボロボロに使い古されてきた毛布を見て「かわいそうだな」と思えた。「許してやったらどうや」。頭の中に好きな言葉が降りてきた。もういいかあ。もう手放してあげよう。もうお休みにしてあげよう。今までずっと助けてくれた。もうこれ以上ボロボロになる必要もない。あの執着は「ライナスの毛布」だったのか…