バラク・オバマ前大統領による2024年夏のリーディングリストに挙げられている、ひときわ噛みごたえのあるノンフィクション『Everyone Who Is Gone Is Here: The United States, Central America, and the Making of a Crisis』*1は、アメリカと中米の移民問題について扱っている。 著者のジョナサン・ブリッツァーは、エルサルバドル人の医師であるフアン・ロマゴザなど、中米からの亡命者や移民のライフストーリーを中心に物語を構成している。 ロマゴザは1980年にエルサルバドル国家警備隊に拉致され、拷問を受けた医師である。その…