10年以上前、死んでも行きたいライブがあった。 あるロックバンドの全国ツアーで、チケットは数秒でソールドアウト。もちろん全敗したわたしは、追加公演の東京ドームにすべてをかけていた。 あとにも先にも、これほど参戦を渇望したライブはない。喉から手が出るほど、とまではいわないけど、指の一本くらいは出てたんじゃないかと思う。 どうしてそれほどまでに行きたかったかというと、次のツアーが発表されるころには、わたしは死んじゃってると考えていたから。 若い時分に持病のオプションを抱えて以来、体調は「ちょっと悪い/悪い/めちゃくそ悪い」のあいだを行き来していた。 当時のステータスは「めちゃくそ悪い」。この冬は越…