中南米文学のうち、おもにスペイン語で書かれたものを指す。 マジックリアリズムと呼ばれる幻想性が特徴とされる。
ホルヘ・ルイス・ボルヘス ガブリエル・ガルシア・マルケス バルガス・リョサ アレッホ・カルペンティエル フリオ・コルタサル カルロス・フェンテス オクタビオ・パス レイナルド・アレナス フアン・ルルフォ
*1:旧・書肆風の薔薇
*2:ラテンアメリカ文学のみの叢書ではないが、重要な作品を多く邦訳する。
2024年6月、ラテンアメリカ文学の金字塔にして世界文学における不朽の名作であるガブリエル・ガルシア=マルケスの「百年の孤独」が遂に文庫化されました。私も十数年ぶりに再読して、奇妙にして色鮮やかな出来事たちに彩られたブエンディア一族の愛の(或いは「愛の不在」の)一大クロニクルを堪能し、改めてラテンアメリカ文学は良いものだなぁと思った次第です。 本記事は、 「百年の孤独」を読み終えて次に読むラテンアメリカ文学を探している 「百年の孤独」を読みかけたけど分厚い(し同じ名前の人ばっか出てくる)ので難儀していて、もう少し軽く読めるものを探している 「百年の孤独」を読もうと思いつつ分厚いのでまだ取り掛か…
スペイン語学習をしていたのもあってラテンアメリカ文学に興味がありました。それでこの本を読んでみたいと思っていたところ、文庫化されたので買ってしまいました百年の孤独 (新潮文庫 カ 24-2)作者:ガブリエル・ガルシア=マルケス新潮社Amazonこれはブエンディア家100年に及び計7代に渡る物語を描いた物ですね 全体的な感想 家族って難しい それぞれに「孤独」な点がある ループする? 名前に込められた意味がある? 全体的な感想 まず手始めに全体的な感想を述べると 家族って難しい それぞれに「孤独」な点がある ループする? 名前に込められた意味がある? などが挙げられます。一つずつ解説いたしますね…
浅田彰もどこかで言っていたけれども、マルケスって全然、いい作家とおもわない。いかにもノーベル文学賞って感じだし。 いろいろあるが、ひとまずマジックリアリズムについては、カフカが草分けだろう、と私は考えているのね。 ハプスブルク帝国下のチェコに、ドイツ語のできるユダヤ人として生まれるっていう、いつなにが起こって生死が左右されてもおかしくない状況というか、現実世界が広がっているわけだ。それを十九世紀的な丹念さが残ったリアリズム的な筆致で書いていったのがカフカ。 それが、マルケスになると十九世紀的な部分がなくなる。それと、マルケスの生地に行ってそこの人らに訊くと、嘘かほんとか分からないけれども(だい…
シェイクスピアの記憶 (岩波文庫 赤792-10) 作者:ホルヘ・ルイス・ボルヘス 岩波書店 Amazon 『シェイクスピアの記憶』 J.L.ボルヘス著 内田兆史訳 鼓直訳を読む。 落語の大師匠が晩年、高座に立つだけで贔屓筋はありがたいと思うだろう。たとえ噺が、自身のなぞりであっても、ありがたいと思うだろう。そんなボルヘスの「最晩年の短篇集」が、ひっそりと出ていた。というか気づかなかっただけ。 見事なまでに、どこを読んでも、金太郎飴の如く、ボルヘス、ボルヘス。もひとつ、ボルヘス。4篇の短篇集。 『一九八三年八月二十五日』その日は「ボルヘスが84歳の誕生日を迎えた翌日」。「前日に61歳を迎えたボ…
『百年の孤独』を読む前に ガブリエル・ガルシア=マルケスの代表作『百年の孤独』を読む前に、頭を"マジックリアリズム慣れ"させておこうと、短編集を読むことにしました。 アマゾンなどで手に入りやすく、お手頃価格な版を3つほど紹介しておきます。 (※ちなみにねじまき自身は、インタビュー集・文学論を2冊と、短編を数編読んだことがあるレベルで、ほぼガルシアマルケス初心者、ということを事前に書いておきます) ガルシア=マルケス中短篇傑作選 (河出文庫) まずは比較的新しめのこの中短篇集より紹介。 ガルシア=マルケス中短篇傑作選 (河出文庫) 作者:ガブリエル・ガルシア=マルケス 河出書房新社 Amazon…
フアン・ホセ・サエール 著『孤児』(寺尾隆吉 訳) を読んだ。 この作品は、皆川博子 著のエッセイ『天涯図書館』を通じて興味を持ったのだが、冒頭数ページにして強い内省と他者への静かな洞察を含んだ眼差しを感じとり、これは好きだと確信したのだった。
火の雨 アルゼンチンの作家・レオポルド・ルゴネスの作品を読みました。 タイトルは『火の雨』で全15ページの短編です。 収録は河出文庫の『ラテンアメリカ怪談集』からです。 レビ記26‐19 ―汝らの天を鉄の如くに為し汝らの地を銅の如くに為さん― 序文にちっちゃく書いてあり最初に読んだ時は読み飛ばしていましたが、どうやらこの作品は聖書の一節からインスピレーションを得て書かれたようです。 この作品は1回読んだだけではその魅力がいまいち掴めず2回目に読み直してからじわじわと体に浸透してくる不思議な作品でした。 こういう何度も読んでじわじわ身にしみてくる感覚がラテンアメリカの幻想文学・魔術的リアリズム作…
若い父親と息子が、二人ともが愛していた妻であり母である女性の死に打ちひしがれながら、ロードトリップに出る。悲しみによって結びついた二人が目指すのは彼女の先祖代々の家だ。そこで彼らは、彼女の遺した恐ろしい遺産と向き合わねばならない。不死を探求して口にするもおぞましい行為に手を染めるOrdenと呼ばれる一家だ。 息子のGasparにとっては、この狂気のカルトこそは宿命だった。Ordenが彼を自分たちの邪悪な世界に引き込もうとするため、彼と父は逃亡し、自分たちが生き残るためなら何でもする力ある一族から逃れようとしている。しかし、Gasparの父はわが子を守るために、どこまでやるだろう? 運命から逃げ…
J.L.ボルヘス『シェイクスピアの記憶』(岩波文庫)読了。 収録作の三編は『バベルの図書館22 パラケルススの薔薇』(国書刊行会)で 既読だったが、本邦初訳の表題作のために購入・読了。 シェイクスピアの記憶 (岩波文庫 赤792-10) 作者:ホルヘ・ルイス・ボルヘス 岩波書店 Amazon パラケルススの薔薇 (バベルの図書館 22) 作者:J.L.ボルヘス 国書刊行会 Amazon fukagawa-natsumi.hatenablog.com 一九八三年八月二十五日 青い虎 パラケルススの薔薇 シェイクスピアの記憶 一九八三年八月二十五日 深夜、宿泊するホテルに帰ったボルヘスはフロントで…
プリンターの調子が悪い。ドキュメントがひとつ印刷中のまま、印刷もキャンセルもできず固まっている。パソコンとプリンタの電源を落としても、固まったまま動いてくれない。どうしても朝、印刷したいものがあったので、小学生が二人が家をでたあとにセブンイレブンへいく。途中、長男の友人の住むマンションを通ると、くだんの友人がゴミ出しをしているのを見かけた。そのうしろには、彼にそっくりな弟がいた。小学生、中学生、高校生がたちがわらわらと登校している。この地区は学生が多い。早朝(といっても七時半)のコンビニは、なんだか活気があるような気がした。これから一日が始まるのだという空気が漂っていた。無事に印刷を終え帰宅す…
明日は図書館で借りた本の返却期限だ。借りた本のうち、3冊は読了、2冊は読みかけ、1冊は手つかず。読みかけのうち1冊はたぶん今夜で読み終わるからよいとして、まだ読んでいないページが残っている2冊については貸出期間の延長をしようと思う。 読みかけのうちの1冊は昨今話題の「百年の孤独」だ。文庫化したことが話題になった作品で、おもしろいという感想のブログをいくつか見ていた。ラテンアメリカ文学とは! 機会がなければ自分ではなかなか手に取らない方面の本ではないかと思ったので、図書館で見つけたハードカバー版を勢いで借りた。 これを機にこの作家さんやラテンアメリカ文学にはまったりして、なんてうきうき気分で読み…
最近ブログを書いていない。が、文章を全く書いていないわけではなく、12月の文学フリマに向けてエッセイや小説を書いている。 しかもバンコクに旅行に行ったりしていたらあっという間に9月が終わってしまった。は、はやすぎる。 というわけで、「今年やりたいこと」、どれだけできているか振り返る!! ①ZINEを作って売る これはもう文フリに申し込んだことでスタートラインに立てたんだなとしみじみ思う。というわけで、冒頭でも書いたようにエッセイ単体のZINEを準備している。友人と共通テーマの文芸誌も出すつもりなので、とにかく書きまくりたい。 ②運動を習慣化する ピラティスを続けていて偉い。偉いが、そろそろ涼し…
私事で恐縮ですが…… なぜ「権力」を描いたSFが多いのか 「権力」とは似て非なる、「権威」というテーマ 創作紹介 関連ブックガイド 私事で恐縮ですが…… Christ Church Melaka このたび、日本SF作家クラブと株式会社ピクシブが主催するSFコンテスト、「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト2024(さなコン2024)」の受賞作が発表されました。 sfwj.jppixivへの投稿によって応募できる短編小説のコンテストで、今回は4回目の開催となります。 指定の書き出しで始まる小説で競作するというのが特徴で、今回の書き出しは「見返した日記には、一ページだけ意味のわからない箇所があ…
莫言は自分の小説への影響作家として、ロマン・ロランとガルシア・マルケスをあげている。フランス文学とラテンアメリカ文学から学んだということだ。日本が近代文学をヨーロッパから学んだように、先行する文学を学ぶことから自らの文学修行を始めていることから、中国が世界の一員であることを私は再認識した。中国が世界文学へ登場してまだ日が浅いと考えるべきなのだろうか。中国にも村上春樹の読者は多いと聞く。「白い犬とブランコ」の犬は、川端康成の小説に登場した犬にインスパイヤーされたと語っている。旧ソ連が東西冷戦時代を作っていた頃も、ドストエフスキーやトルストイやチェーホフは日本で愛読されていた。高校時代熱心なドスト…
秋は「読書の秋」とも言われる季節。夏の暑さが去り、涼しくなると自然と家で過ごす時間が増え、ゆったりと本に向き合うのに最適な季節だ。そんな秋の夜長に楽しみたい、心を豊かにしてくれる読書リストを10冊分紹介しよう。本好きな人も、読書初心者でも楽しめる、さまざまなジャンルから選んだおすすめの本だ。ぜひこのリストを参考に、今年の秋を「読書の秋」にしてほしい。 1. 『1Q84』村上春樹 まず最初に紹介するのは、村上春樹の代表作の一つ『1Q84』。3巻構成のこの作品は、現実と非現実が交錯する不思議な世界を舞台に、二人の男女の人生が徐々に絡み合っていく。村上春樹の独特な世界観や、謎めいたストーリーに引き込…
はじめに 人生は予測不可能な出来事の連続です。その中で、私たちは家族との絆や運命の力に翻弄されながらも、自分の道を切り開いていきます。イザベル・アジェンデの代表作『精霊の家』は、まさにそんな人生の真理を鮮やかに描き出した傑作と言えるでしょう。 この小説は、チリの激動の歴史を背景に、トルエバ家の4世代にわたる物語を紡ぎ出します。魔術的リアリズムの要素を取り入れながら、家族の絆、愛、政治、そして運命の力を探求する本作は、読者に深い洞察と感動を与えてくれます。 本記事では、『精霊の家』の魅力を解き明かしながら、この作品から学べる人生の真理について考察していきます。 『精霊の家』の概要 『精霊の家』は…
はじめに 想像力の扉を開け放ち、現実と幻想が交錯する世界へ足を踏み入れてみませんか。アルゼンチンの作家フリオ・コルタサルが1963年に発表した『石蹴り遊び』(原題:Rayuela)は、20世紀文学の金字塔として今なお多くの読者を魅了し続けています。この小説は、単なるストーリーテリングを超えた実験的な作品であり、読者に新たな読書体験を提供すると同時に、人生の本質に迫る深遠なテーマを探求しています。 『石蹴り遊び』は、その独特な構造と哲学的な内容によって、現代文学に革命をもたらしました。本作品は、線形的な物語の概念を打ち破り、読者に能動的な参加を促すことで、小説の可能性を大きく広げたのです。本記事…
はじめに 魔法のような現実が織りなす壮大な物語。ガブリエル・ガルシア・マルケスの傑作『百年の孤独』は、単なる小説を超えた人生の教科書といえるでしょう。この作品は、私たちに歴史の重みと個人の運命、そして人間の本質について深く考えさせてくれます。 『百年の孤独』は、コロンビアの架空の村マコンドを舞台に、ブエンディア一族の7世代にわたる栄枯盛衰を描いた物語です。1967年に出版されて以来、世界中で読み継がれ、現代文学の金字塔として高く評価されています。本作は、ラテンアメリカ文学のブームを巻き起こし、マルケスにノーベル文学賞をもたらしました。 この小説が私たちに問いかけるのは、人間の本質的な孤独や、歴…
こんばんは、Clariceです。タイトルの通りです。私は視力が良くないので、家では眼鏡をつけています。外ではコンタクトです。深夜テンションで録画した感がマシマシの動画です(´ぅω・`)ネムイ ーcontentsー ◇動画 ◇本文 ◇あとがき ◇動画 youtu.be ◇本文 こんばんは、Clariceです。本日は2024年8月26日月曜日です。 最近すごい本を読んだので、急ぎカメラを回しております。ガルシア・マルケスの『百年の孤独』です。 めちゃくちゃ面白いです。マジック・リアリズムという手法で書かれた、南米の架空の街―マコンドという場所で、一族の100年にわたる盛衰がつらつらと書かれた物語で…
出身地:兵庫県出身学科:哲学科趣味:読書、映画鑑賞、温泉、山登り(最近ご無沙汰)、旅行、クイズ、将棋。 「旅行」:47都道府県踏破。アメリカ、中国、ドイツ、フランス、スイス、イタリア等。旅行で関東や外国に行くときは美術館目当て。他の都道府県に旅行に行くときは観光地、温泉、郷土料理目当て。 「山登り」:沢登り等ハードなものは避けています。富士山、立山、白山、大山、石鎚山等に登りました。 「映画鑑賞」:正確には数えていませんが、体感では300~400本くらい観ている感じです。『ゴッドファーザー』が好き。ホラー、スプラッター映画は殆ど見ません。上の300~400本も、ほぼスプラッター、ホラー、戦争映…
いま、心当たりがあまりないのだけれど、疲れ感がある。身体的な疲れ感というか、心に結ぼれができてしまってモヤモヤと晴れないような感じである。旅行から帰って以来、みょうに疲れが出ているのかな。寝る時間も遅くなっているし。明日10時から学校で面談なんだけれど、起きられるだろうか。というか風呂入りたくないな…。 _______________________________________ 昨日(8月18日日曜日)は武蔵野市の公共施設「武蔵野プレイス」に行き、一階にあるカフェにて夕食を食べた。食べたいメニューの代金を支払う現金をじゅうぶんに持ち合わせておらず、代わりに使おうとしたクレジットカードも不調…
「みんなで早押しクイズ」フリーマッチで作問したクイズの記録です。2024年8月18日夜22時30分に「ノンジャンル051」として出題した全20問です。 スポンサードリンク // 注1:問題・解答・解説は、追記など無い場合、基本的に2024年8月18日夜22時30分時点のものです。 注2:正解者数は、再放送を含めてフリーマッチを計3回行った際の合計人数です。また、解答権は参加者の95%としています。 問01. 東京都江戸川区、奈良県大和郡山市とともに金魚の三大産地と称され、市名を冠した金魚のブランドがあるほか大規模な金魚の品評会である「金魚日本一大会」が年に一度開催されている、愛知県西部の市はど…
先日に新潮社「波」8月号が届きました。今月も文庫「百年の孤独」に まつわる話題がいくつかありました。当方は、文庫が店頭に並んだ日に購入 をしたのですが、いまだ文庫では読むことができておりません。(ニケ月ほど 前に元版で読んでいましたので。) 今回の文庫「百年の孤独」は、ここ何年かでの新潮文庫最大のヒットである ようで、新潮社は喜んでいるのがうかがえる特集であります。 そういえば、文芸誌「新潮」も「百年の孤独」の特集を組んだとのことですが、 これもずいぶんと売れたと聞きましたです。(こちらの方は、いまだに手にして おりません。そのうち「図書館」でのぞいてみましょう。) 百年の孤独 (新潮文庫 カ…
2022年11月号掲載 毎日新聞契約記者/藤原章生 1980年ごろの日本社会の雰囲気をうまく書けないだろうかと、1年ほど前から考えてきた。というのも、昨年秋から今年春まで新聞連載した評伝、「酔いどれクライマー」の舞台がこの時代だったからだ。主人公の永田東一郎さんが海外の山を舞台に活躍し、もっとも輝いていたころだ。この連載を本にするため、今は日々、80年代、つまり昭和晩期の雰囲気をあれこれ考えている。 1980年は私が大学に入った年でもある。高校まで東京にいたが、大学は札幌だった。記憶している時代は地方都市のムードだ。時折東京に帰りはしたが、自分と同年齢の若者たちがものすごい勢いでファッショナブ…