戦後から現代、日本人がロレックスを巻いた80年の欲望の軌跡(イメージ) 時計の話をしたい。 ただし、精度の話でも、ムーブメントの複雑機構(コンプリケーション)の話でもない。ある金属の塊が、戦後の日本社会をどのように流れてきたか。それが人々の腕に着けられるとき、何を意味し、何を演じ、最終的にどこへ辿り着いたのか——そういう話をしたいと思う。 これはロレックスというブランドそのものへの批評ではない。そのブランドが社会の鏡として映し出してきた、日本人の「欲望」「不安」「価値観」の変遷を追う記録である。 丸いケース、金属のブレス、王冠のマーク。その形は80年間ほとんど変わっていない。しかし、そこに込…