3月の劇場公演を見ていました。完成度高く、俳優の演技も満足度も大きいプロダクション。それがゆえに書くべきことがなくてブログも記録なしになってましたが、PARCOで８K上映があり、その際にいろいろ気づいたこと、ふくらんだこと、たくさん発見があり、あらためて書いてみました。 芸術劇場プレイハウス上演（3月15日マチネ観劇） 現代的な美術と衣装 幕が開くとほぼ装飾のない舞台。背面は白い壁（上下する）。上手にOHP機とコピー機、下手にウオーターサーバー。 会議室などにある椅子がいくつか、リア王だけ肘掛けとキャスターのある高級オフィスチェア。現代のオフィス様だが、OHP機というWindowsが職場に普及…

クーラーボックスを持って走り回り、マンガ&アニメ『はたらく細胞』の赤血球ちゃんになった気分でいる娘（5歳）から、 「看護師って女ばっかりなん？」 と聞かれました。 「昔はそうだったんかな〜。けど最近は男の看護師さんも増えてるっていうよな〜。ママ入院しとったやろ？その時も男の子2人おったわ〜」 と答えると、 「それは〜ママが見たんが2人ってだけで、本間はその病院にやってもっとおったかもしれんやん〜！」 となぜか指導される形になりました。 …母ちゃん、分かりやすい言葉や安易な目に見えるものに一喜一憂したり、信じ込んだ行動したりして後悔したことが数えきれないくらいあるのに、あんた目に見えない部分のこ…

藤田俊太郎演出『リア王の悲劇 THE TRAGEDY OF KING LEAR』9月20日ぶり２回目観劇。３列目センターブロック。国王の話というよりすごく身近（キリスト教が入ってくる前３～５世紀のブリテンは小さな国だった）な話。ふたつの家族（リア家とリアの忠実な家臣のグロスター家）、父と子、家父長制、老人性痴呆、忠孝、など前回より沁みて沁みて何度も何度も涙が溢れた。 長谷部浩さんの言葉を借りると「権力者の傲慢と肉親の非情と孤独の意味を問う」演目に、こんなにも身近な悲劇だと感じたリア王は初めてかもしれない。「まさしく、演出家という権利者（ニーナ）」の晩年の芸術家の孤独、そして自由の効かなくなった…

シンプルな演出と台詞 セットのない平場に、泣く赤ん坊を抱く女、そして老人（木場勝己）が出会う。老人は女と赤ん坊に少しだけ興味を持つも、うつろな様子。惑う老人にコロスが王冠と職杖を渡し、彼はリア王（木場勝己）となる。 セットは背面に大きな地図、その中心に階段状の王座。リアはそこに座る。 戯曲冒頭の貴族らの噂話がカットされているので、それぞれの関係性の前提はここで分からない。わりあいにカットされる部分ではあるが、エドマンド（章平）が妾腹であることが強調される箇所なので、今回の演出意図ではあった方がよかった。 すぐに三姉妹の領土分配になるわけだが、ここもすっきりめだった。サクサクとリズミカルに進む。…

おけぴさんの『リア王の悲劇』木場勝己さんと俊太郎くんの対談！ リア王👑のお話だけでなく✨2005年の蜷川さん演出『天保十二年のシェイクスピア』のときの木場さんと当時演出助手だった俊太郎くんの出会いの思い出話しが聞けるとは！ おけぴさん最高😊 KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『リア王の悲劇』藤田俊太郎さん（演出）×木場勝己さん対談 感激観劇レポ｜おけぴネット okepi.net 全部興味深い対談だから皆さま読んでーー？ 一部抜粋させていただきます。 【「リア王」20年生と61年生】 木場さん「僕は「リア王」とは長いんですよ。通算61年の付き合いになります(笑)。13歳の時、中学校のペンフレンド…

連日、あい変わらずの猛暑。 先日のブログにも書きましたが、海外の人々をも魅了する 美しい日本の四季、それは今や過去のものとなってしまったのでしょうか？ 出典フォトAC 春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり 道元禅師が夜空を眺めて、日本の四季を詠った といわれる詩をふと思い浮かべます。 日本における大宗教家、曹洞宗の開祖である道元は 「禅の言葉」の中で、四季は宇宙がくれた最高の贈り物 と言っています。 確かにかつては、日本の四季は折々に風情があって、ただ眺めているだけで幸せな 気持ちになりました。 でも近年では春も秋もつかの間で、猛烈に暑い夏が長逗留し 風情どころか恐怖、危険の…

「これが最悪」などと言えるうちは、