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リスパダールコンスタ

(サイエンス)
りすぱだーるこんすた

リスパダールコンスタとは、抗精神病薬リスパダールの持続性注射剤である。2009/06/23発売。
リスパダールと同じくヤンセンファーマ社が発売している(プレスリリース:ヤンセンファーマ株式会社 | Janssen Pharmaceutical K.K.)。
非定型抗精神病薬としては世界初の持続性注射であり*1、これにより注射で投薬を行う場合の負担が大幅に減った。
通称:コンスタ

利点

  • 一度の注射で2週間効果が持続するので、医療者側及び患者の負担が少ないとされる。また、服薬スケジュールの調整の負担も減り、服薬コンプライアンスが向上する。

欠点

  • 高い。3種類ある容量の薬価がそれぞれ25 mg/23,520円、37.5 mg/30,997円、50 mg/37,703円となっており、これはリスペリドンジェネリック医薬品を経口服用するより圧倒的に高い*2
  • 注射である。患者側にとっては以前の定型抗精神病薬注射を打たれるよりましかもしれないが、この使用がカジュアル化されてはたまったものではない*3
  • 副作用の発現率が高い。経口リスパダール31.2%に対しリスパダールコンスタ81.1%との事*4
  • ネオペリドール(1ヶ月に1度)に比べると投薬間隔が短い(2週間に1度)*5
  • 上記項目と関連するが、持続性注射であるため一度投与された薬剤を排出する事は不可能であり、悪性の副作用の持続がありうる。

後継薬ゼプリオンについて

リスパダールインヴェガリスペリドンの活性代謝物であるパリペリドン徐放薬)という後継薬がある様に、リスパダールコンスタにもゼプリオンという後継薬がある(ゼプリオンの注射間隔は4週間に1度になっている)。
しかしこのゼプリオンはかなりの件数の死亡事故を出しているので、リスパダールに対するインヴェガの様に気軽に替えるわけにはいかない状況である。


*1:以前はネオペリドール等の定形抗精神病薬しか無かった

*2:2週間分の比較をすると、リスパダールコンスタ25mg1本:リスペリドンジェネリック1mg*2/day*14 = 23520:11.7*2*14 = 23520:327.6である。23520 / 327.6 = 71.79...であり、実に70倍以上の差がある。これは自立支援医療制度の適用無くしては負担が厳しいものになる。(丁度自立支援医療制度には低所得もしくは医師が「重度かつ継続」とした者には負担費用の上限制度がありそれ以上は全て公費負担となる制度があり、この場合は費用を気にせず使えるものになる。しかし当然国庫としてはたまったものではない。)

*3:なお保険医療機関及び保険医療養担当規則では注射はそれが必要な場合でなければ使わないものとされている。が、日本の精神科病院等においてはそれら規則が守られる事はあまり望めないかもしれない。健康保険法違反が常態化しているのだし。しかし注射をする必要性が無い事を説明出来るのであれば地方厚生局指導監査課に療担規則に反して強制的に注射がなされている事を通報すれば指導により他の方法による治療に変わるかもしれない(病院は「迅速な治療の効果を期待する必要がある」という理由を持ち出すかもしれないが、それはありえない。何せインヴェガ(パリペリドン=リスペリドン活性代謝物、の徐放薬)の方が効力安定するまでずっと早いのだ(約5日)。)。リスパダールコンスタを中止する事は財政上のメリットも大きい。

*4:中でも不眠、アカシジア、精神症状等の辛いものが高確率で発現し、不整脈等の重篤なものも4.6%もの確率で発現するとの事。

*5:ここで血中濃度が上昇するまで投薬開始から3週間かかる。投薬中止後も4〜6週間は血中濃度が治療域に維持され、完全に消失するまでに8週間程度を要する。

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