水村美苗さんの『大使とその妻』の下巻では、日系ブラジル人・貴子のブラジル時代が描かれています。 これも前回と同様、主題からは離れてしまうのですが。 ブラジルの大雑把さというか、そういうことに関する記述の部分もいいです。 貴子は、ブラジルのことを懐かしんで、以下のように語っています。 「「あのでたらめな感じ、あの鷹揚な感じが気を楽にしてくれるの。たべものだって大きな皿にドーンと出てくるし」 ブラジル人の人懐こさも懐かしんだ。「知らない人相手に、大声でしゃべって、大声で笑って」 どこかもの悲しい下町のリベルダーデも懐かしんだ。」(下巻・258頁) 「でたらめな感じ」というのは、決してネガティヴなも…