山下敦弘監督作『リンダ リンダ リンダ』(2005)は、日本の青春映画というジャンルにおいて、今なお特別な光を放ち続けている。 過度なドラマを排し、練習の合間にこぼれた笑顔や、放課後の静かな空気感を等身大の視点で丁寧にすくい取った演出は、単なる懐古趣味を超えて、今この瞬間を生きる者の心を静かに揺さぶって来る。 主演の韓国留学生・ソンを務めるのは、今や韓国を代表する名優となったペ・ドゥナ。山下監督はポン・ジュノ監督の『吠える犬は噛まない』(2000)を観て感銘を受け、彼女の出演を切望したという。 前田亜季、香椎由宇、ロックバンド「Base Ball Bear」の関根史織がバンドメンバーとして絶妙…