Lucio Fulci 監督、脚本家、俳優
マカロニウエスタン、ジャーロ、怪奇映画など、イタリアで娯楽映画ばかり撮っていた監督。初期にはコメディ等を撮っていたが日本には未輸入が殆ど。中期以降、過剰で病的な残虐描写とイメージ先行による難解な(破綻した)物語構成で、強烈なインパクトを残す作品を監督し、一部に熱狂的ファンを持つ。 代表作は『サンゲリア』、『地獄の門』、『ビヨンド』など。
ルチオ・フルチ監督の映画 『未来帝国ローマ』(1984年)を観た。 近未来のローマ市。WBSテレビの役員コルテスはライバル局の殺人レース番組の高視聴率に手を焼いていた。重役サムの命令により彼は死刑囚による殺人競技を企画。殺人レースのスターライダー・ドレイクを罠にかけ参加させるが…。 ルチオ・フルチ版『バトルランナー』(1987年)かと、思いきや脚本家によると「『バトルランナー』にパクられた。」とか。 元々ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』の人気にあやかった『サンゲリア(ゾンビ2)』を作った人だからパクリ返されたのはしゃあないなと、思う。 視聴率に狂騒してるのには違和感はあったが、VRで恐怖を体験…
ルチオ・フルチ監督の映画『墓地裏の家』(1981年)を観た。 謎の自殺を遂げた同僚の研究を引き継ぐために、郊外の一軒家に引っ越した歴史学者ノーマンとその一家。引っ越した直後から一家に不可解な出来事が起こるようになる。その家の地下室には想像を絶する秘密が隠されていた…。 冒頭から頭を貫通するナイフや体が湧き出るウジ、勢いよく吹き出す血に生首等々…。 スプラッター描写は多種に渡っていて冴えていたが、その代わりストーリー展開には冴えがなかった。同居人の博士の所業と一緒でツギハギだらけ。博士の異形は面白かったけど。 警告は子供であってもバカにしちゃいけないし不動産屋の言う事は真に受けちゃいけない。 w…
S原:どもー、ワゴンイチです~!よろしくお願いします〜!ねー! Y木:いやー最近ね、DVDがすごいね。 S原:DVDがすごい?どーゆーことです?それは。 Y木:だからほら。アクションとかホラーとかあるじゃないですか。 S原:あー、そういうこと。映画ね、映画のことね。まあ楽しいすからね!うん〜。 Y木:イタリアのホラーみたいなものあるでしょ。 S原:あーありますよね。80年代とかね。マニアがいてね。そういうDVDは、高い値段になってるんですよ。 Y木:ダリオ・アルジェントの「サスペリア2」とかね。 S原:そうそう。イタリアンホラーの巨匠ですよ。あの人形のシーンで、みんなトラウマになっていましたけ…
荒野の処刑 (字幕版) ファビオ・テスティ Amazon ★★ ギャンブラーのスタビー(ファビオ・テスティ)、娼婦のバニー(リン・フレデリック)、アルコール依存症のクレム(マイケル・J・ポラード)、墓堀り黒人のバド(ハリー・ベアード)が、ソルトフラッツの町から追放される。町は自警団による暴力で悪が一掃されていた。馬車で南へ旅するスタビーたちは、チャコ(トーマス・ミリアン)という銃の名手を仲間にする。ところが、一行はチャコに裏切られるのだった。 マカロニ・ウェスタン。中途半端な詐欺師が孤高のヒーローに成長するロードムービーである。随所で西部劇の定型を外そうと頑張っているが、そのせいで気の抜けたコ…
「ゾンビ」(1979)の世界的ヒットで、ゾンビブームが起こりました。 当然、柳の下の二匹目のドジョウを狙った作品も多かったわけで、その中の一本が「サンゲリア」(1979製作/1980日本公開)。 製作はイタリア。 監督はホラーマニアの支持が熱いB級の巨匠ルチオ・フルチ。 明らかに胡散臭い映画ですが、カルト的な人気はあるようです。 (あらすじ) ニューヨークに無人のクルーザーが流れ着き、中を調べた警官が腐乱死体に襲われた。クルーザーの持ち主の娘は父を探しに、新聞記者と一緒に南の島に向かった。そこにはゾンビを研究する医師が住んでいた・・・ ( ↓ 海外版予告編。結構グロいシーンがあるので閲覧注意で…
動画サイトで映画『死霊の罠』(1988年池田敏春監督、石井隆脚本)を観た。 ニュースキャスターの土屋名美(小野みゆき)宛に送られてきた謎の惨殺ビデオの謎を探るため、名美とスタッフたちは取材班を組み撮影場所と思われる郊外の建物へと入っていく…。 「これでもか。」と、言わんばかりに詰め込まれていてお腹いっぱい。池田敏春監督のしつこさに胃もたれした。 日本初のスプラッター映画と言われていて製作側の気合の高さを感じた。ルチオ・フルチ作品好きから言っても、冒頭の眼球串刺しシーンは痛々しい。しっかりとした弾力感と水晶体が飛び出るリアルさがグッドでありバッドだった。よう出来てた。『ソウ』シリーズみたいな罠の…
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U-NEXTでデビッド・クローネンバーグ監督の映画『スキャナーズ』(1981年)を観た。 ショッピングセンターで女性客に蔑まれたホームレスのキャメロン・ベイル(スティーブン・ラック)は、悪意の目でにらむと女性客はもがき苦しみ卒倒してしまう。警備会社・コンセック社に連れ去られたベイルは、自分が「スキャナー」と呼ばれる超能力者であることを知らされ、世界征服を企てているスキャナーのダン・レボック(マイケル・アイアンサイド)の殺害を要請される…。 カナダ版『NIGHT HEAD』いや『NIGHT HEAD』が日本版『スキャナーズ』か。ま、どっちでもええわ。 初っ端からの有名な頭部破裂シーンは思った以上…
75年公開、ルチオ・フルチが2番目に撮ったマカロニ・ウエスタン。 荒野の処刑 MWX-105 [DVD] ファビオ・テスティ Amazon この作品は前にも観たことがあるのですが、マカロニっぽくなくて、ホラーのフルチのイメージとも違っていてびっくり。 フォークソングみたいな曲がじゃんじゃんかかって、ロードムービーのような雰囲気。かなり変わった映画だったのですが、印象に残っていてなんだか好みの作品でした。 改めて久々にみたら、あら、ビックリする位とってもいい映画…!! 残酷な死が迫ってくる不条理なこの世界を生きていかねばならない切なさ…〝らしくない〟かと思いきや、フルチの死生観が色濃く出ているよ…
U-NEXTでルチオ・フルチ監督の映画『野獣死すべし』(1980年)を観た。 密輸組織が拠点とする港町ナポリ。縄張りの拡大を目論む麻薬組織に兄を殺された密輸業者のルカ(ファビオ・テスティ)が復讐のため、彼らに接近する。ところが、密輸組織内部に潜む裏切り者が、幹部暗殺の手引きをしていたことが発覚し、やがて事態は組織全体を巻き込んだ大がかりな抗争へと発展していく……。 同じタイトルである松田優作主演作品よりルチオ・フルチの『野獣死すべし』の方が面白かった。 イタリアの裏社会を舞台に麻薬絡みなので『ゴッドファーザー』や『フレンチ・コネクション』と似通った部分もあるし昔気質の裏社会の住人が新興ヤクザの…
ルチオ・フルチ監督『サンゲリア2』(1988年)を観た。 テロリスト集団が東南アジアの研究所を襲い細菌兵器デス・ワンを奪うが、ひとりの男が誤って感染し死亡する。その死体を回収した軍隊は焼却処分にするが、デス・ワンは煙と共に散乱、鳥を媒介として人間に感染していく。感染した人間はゾンビと化し、生者を次々に襲っていく…。 なんかD級のアクション映画みたいだった。 ルチオ・フルチにとって痛恨の一作らしい。その痛みビンビン伝わってきた。 ゾンビがアクティブ過ぎる。ゆらゆらと歩きながら人に噛みつくのが定番だが、首絞めたり軍人と打撃で戦ったりするのには違和感があった。 人命を省みない軍隊と虐殺を止めようと抵…
ルチオ・フルチ監督『ビヨンド』(1981年)を観た。 1927年。ルイジアナ州にある「セブン・ドアーズ・ホテル」に滞在していた画家シュワイク(アントニー・セイント=ジョン)が、怪奇現象が発生した原因と見做され村人たちから凄惨なリンチを受けて殺された。それから54年後、叔父の遺産として、セブン・ドアーズ・ホテルを相続したライザ(カトリオーナ・マッコール)の周囲で奇妙な出来事が相次ぐ…。 イタリア版『事故物件』。 いつもの様に目玉が飛び出る、硫酸で顔溶ける、いぬに喉笛食いちぎられる、蜘蛛に顔食われる…。凝りに凝った残虐描写に笑うしかない。 ゾンビや死体の設定だが、本当に犬に襲われたり体に蜘蛛が這っ…
先月、別冊映画秘宝でなんとルチオ・フルチ本が発売…!! ネットで品切れになったりしていたようですが、ヨドバシで無事購入することができて、まずはざっと一気読み。 そのあと少しずつじっくり読ませてもらっています。 (裏表紙も最高だぁ〜♫) フルチの経歴から始まって時系列順に作品が取り上げられていて、とても読みやすい。 これまでもBlu-rayの特典映像やドキュメンタリーでフルチのバックグラウンドを知れる機会はあったものの、話が飛び飛びでエピソードがぶつ切り…この本は初心者にはとっても有難いです。 世間一般には評価が低くあまりスポットの当たらない晩年の作品も俄然みたくなりました。 フルチ以外のイタリ…
ルチオ・フルチ監督の映画『地獄の門』(1980年)を観た。 霊能者のメアリーは、ダンウィッチの墓地で自殺する神父・トーマスの姿を霊視する。その神父の目的とは、冒涜行為により地獄の門を開くことだった。メアリーは新聞記者のピーターと共に、地獄の門を閉じるべくダンウィッチへ赴くが……。 出てる役者、大変やなぁ〜 降り注ぐ蛆虫、目が流れる血の涙、ミミズ入りのゼリーを顔に塗りたくられる、頭を貫通するドリル…。 悪趣味にも程がある。役者がマヂで蛆虫嫌がってたな。ラストに駆け寄る少年に被さる女の悲鳴。「何、これ。」と、思ったらフルチ監督の思いつきだったとか。なんや、それ。 ゾンビもヤバイけど、確かめんと生き…
自殺した博士の研究を引き継ぐために田舎町の一軒家に越してきた歴史学者のノーマンと妻ルーシー、息子のボブの3人家族。やがて家で奇妙な出来事が起こるようになり......。墓地裏の家 [Blu-ray]キングレコードAmazon 『地獄の門』『ビヨンド』などと同時期のルチオ・フルチ作品で、それらの傑作群と比べるとややおとなしく感じてしまうもののなかなか楽しめました。 冒頭いきなりおっぱいからの頭貫通の殺害シーンがクール! というスプラッタな冒頭からの、主役の男の子ボブが写真に映る屋敷の窓辺に佇む少女と話す幻想ホラー的な導入。 そこからも分かるように、かつて屋敷に住んでいたマッドサイエンティストの怨…
監督:ルチオ・フルチ 地獄への門が決壊するわけだが、なんだか思わせぶりなだけで大したもんではない。今観ればさすがに色褪せていた。ホラー描写ももはや新味はない。蜘蛛ぐらいかなあ見せ場は。後はよくある内臓だの目玉飛び出したりだの顔が溶けたり血がブシャーだったり。終盤は面白くなったけど、正直そこそこ退屈。。。
『サンゲリア』(1979年、ルチオ・フルチ監督) ある日、ニューヨーク湾内で漂流中のクルーザー内に踏み込んだ警備船の警官2名が、全身腐乱した男に襲われた。クルーザーの持ち主の娘であるアン(ティサ・ファロー)と新聞記者ピーター(イアン・マカロック)は、アメリカ人夫婦ブライアンとスーザンのクルーザーに同乗し、アンの父親がいるはずのカリブ海に浮かぶマトゥール島へ向かうが、そこはゾンビが巣食う恐るべき魔境と化していた…。 腹敗れて、サンゲリア。 土中から起き上がる死体、木片が目を刺し抜く、噴き上がる血、サメと戦うゾンビ、ミミズやウジまみれのゾンビ等々。笑っちゃうくらいの悪趣味な描写。サメと戦うゾンビは…
初めて書く映画の記事がこの作品で本当に良いのか、と思うが、直近に観た作品がこれなのだから仕方がない。U-NEXTで配信されている。 監督はルチオ・フルチ。扱う題材は手垢にまみれていながらも、他の追随を許さぬ徹底した残虐描写で独自の地歩を確立したマスター・オブ・ゴアの一人。 …と書いたものの、それは『サンゲリア』を発表して以降の話。それまでは、コメディやマカロニ・ウエスタン、ジャーロ映画などのジャンル映画で辣腕を振るっていた職人監督であった。実際、『真昼の用心棒』や『シルバー・サドル』、『幻想殺人』など、この頃の作品には評価に値するものが多い(『マッキラー』のソフト化を切に望む)。 しかし、19…