Lucio Fulci 監督、脚本家、俳優
マカロニウエスタン、ジャーロ、怪奇映画など、イタリアで娯楽映画ばかり撮っていた監督。初期にはコメディ等を撮っていたが日本には未輸入が殆ど。中期以降、過剰で病的な残虐描写とイメージ先行による難解な(破綻した)物語構成で、強烈なインパクトを残す作品を監督し、一部に熱狂的ファンを持つ。 代表作は『サンゲリア』、『地獄の門』、『ビヨンド』など。
1981年作品、ルチオ・フルチ監督、カトリオーナ・マッコール パオロ・マルコ ジョヴァンニ・デ・ナヴァ アニア・ピエローニ出演。謎の自殺を遂げた同僚の研究を引き継ぐために、郊外の一軒家に家族と共に引っ越してきた、歴史学者ノーマン(パオロ・マルコ)。 だが、この家こそかつて人体実験で悪名高かったフロストステイン博士(ジョバンニ・デ・ナヴァ)の屋敷だったのである。そして、巻き起こる怪奇現象と惨殺事件。 その元凶は奇怪なゾンビとなって地下室に存在していたフロストステインだった。監督の作品に出演歴があるのはカトリオーナ・マッコール、「ビヨンド」「地獄の門」 https://anttiorb.haten…
映画を観ている時に「あーこのカット静止画にしてポスターにして飾りてぇ!」とか思う事ありません?一般作品の壮大な景観とかをイメージされる方が多いと思いますが、ホラー/サスペンスでも「おお!」と思う(こちらの琴線にバリバリと触れる)アングルに出会う事があります。どこか詩的な雰囲気を湛えていたり、これからやって来るであろう見せ場(あるいは結末もしくはエンディング後の展開)を予感させたり。真っ先に思いついたのはタイトル画に挙げた「エクソシスト」冒頭の≪パズズの像と対峙するメリン≫。やがて訪れであろう「対決」を予感させる名カットです。今回はそんな「ポスターにしたい」ホラー/サスペンスの(私的)名カットを…
スカッとした西部劇を観たいと思い、録画保存していたマカロニ西部劇『真昼の用心棒』(1966年/監督:ルチオ・フルチ)を観る。この作品の惹句は、“必殺のコルトをだいて、ふるさとに帰って来た、さすらいの男” 農場を兄のジェフ(ジョージ・ヒルトン)に譲って旅に出ていたトム・コーベット(フランク・ネロ)は、友人からの手紙で故郷に戻ります。農場はスコット(ジョン・マクダグラス)のものとなっており、銀行もスコットの所有で町はスコット一家に牛耳られているんですな。ジェフは呑んだくれていて事情を話さず、手紙をくれた友人は一家皆殺しにあいます。スコットに会いに行ったトムは、スコット・ジュニア(ニーノ・カステルヌ…
古典的メタルの名曲。歌詞の元ネタがルチオ・フルチのビヨンドとは知らなかった。
1981年 伊ジャンル・ホラー監督・ルチオ・フルチ主演・カトリオーナ・マッコール この世と地獄を繋ぐ7つの門、その内の一つはセブンズドアホテルの地下にあった。地下の門番であったシュワイクが殺され半世紀、ホテルを相続することになったライザの身の周りで、不可解な出来事が相次ぐ。サンゲリアを初めとした、ルチオフルチのゾンビ映画第三弾。 果てしない一本道(公道)に立つ、犬を連れた盲目の女性。一見幻想的ともとれるシーンですが、彼女の立つ前後にあの世(ビヨンド)とこの世の境目のようなものが感じられるのです。抽象的な映像からそれを感じさせる説得力。このシーンの存在が、この映画の価値を底上げしている気がします…
1988年作品、ルチオ・フルチ ヴィンセント・ドーン監督、デラン・サラフィ アンビアトリス・リング マッシモ・ヴァンニ リチャード・レイモンド出演。テロリスト集団が東南アジアの研究所を襲い細菌兵器デス・ワンを奪うが、ひとりの男が誤って感染し死亡する。 その死体を回収した軍隊は焼却処分にするが、デス・ワンは煙と共に散乱、鳥を媒介として人間に感染していく。 感染した人間はゾンビと化し、生者を次々に襲っていく。 休暇中の兵士たちはゾンビと戦うが、事態の収拾を図る軍が特別部隊を投入して来たことから三つ巴の死闘が始まるのだった。監督は共同?でルチオ・フルチ、もちろん1作目の「サンゲリア」 https:/…
カルト宗教に入った妻の下から子供を連れ戻す…クローネンバーグの当時の実体験が色濃く反映された作品だそうで… 本監督の初期の傑作、肉体の変容という一貫したテーマも在りつつ明快な家族ホラーになっていていいですね。 ザ・ブルード/怒りのメタファー リストア版 [Blu-ray] オリヴァー・リード Amazon 神経症を患ったノーラは夫と親権を争いつつも精神科医・ラグランの管理下にあった。博士の治療法は〝怒りを具現化して切り離す〟という画期的なものだったがそれが思わぬ事件を引き起こしてしまう… とにかく顔の圧の強い人たちのオンパレード、クローネンバーグ作品の真骨頂ともいうべき奇人変人も続々と登場しま…
フルチが「地獄の門」と「ビヨンド」の間に撮った81年の作品「黒猫」が初Blu-ray化。 「時計仕掛けのオレンジ」のパトリック・マギーと「4匹の蝿」のミムジー・ファーマーが主演、脇はフルチ作品の常連が固めています。 ゴア描写は少なく思った以上に静かな作品でしたが、物悲しさ漂うジャッロになっていて充分楽しめました。 ホラー・マニアックスシリーズ 第13期 第4弾 ルチオ・フルチの 恐怖! 黒猫 -2Kレストア版- [Blu-ray] パトリック・マギー Amazon 人々の奇怪な死が続くイギリスの小村。村を訪れたカメラマンの女性・ジルは村人から忌み嫌われている霊媒師・マイルズの下を尋ねます。 気…
シリーズ目次(クリックで展開) ⓪吸血鬼小説『死者よ目覚めるなかれ』の作者はティークではなくて別人だった!本当の作者とは!?(ヘイニングの不正を知る前の記事) ①女性作家による最初の吸血鬼小説「骸骨伯爵、あるいは女吸血鬼」が捏造作品だったことについて ②古典小説「フランケンシュタインの古塔」はピーター・ヘイニングの捏造?他にもある数々の疑惑 ③ホレス・ウォルポールの幻の作品「マダレーナ」が、別人の作品だった ④女性で最初に吸血鬼小説を書いたエリザベス・グレイという作家は存在していなかった ⑤ドラキュラに影響を与えた作者不詳の吸血鬼小説「謎の男」の作者が判明していた ⑥この記事 英国のホラー・ア…
1979年 伊ジャンル・ホラー監督・ルチオ・フルチ主演・ティサ・ファロー 虫湧きまくりのミイラゾンビが土中から起き上がる様は圧巻。こんなの見たら硬直してほぼ無抵抗のまま噛みつかれるのも無理ありません? 特殊メイクはビヨンドなども手掛けた、デ・ロッシ。本作においてもその手腕がいかんなく発揮されています。 叩き割られたミイラゾンビの頭からは、ほぼ液化した脳ミソがドロリ。うーん、埋葬された遺体の脳ミソってこうなってるのか・・外はパサパサ中ジューシー的な・・?と、妙な所に感心してしまいました。 ゾンビ映画といえば死体を貪る描写がつきものですが、本作もまた物議を醸すレベル。ただの肉塊と化した人間を食事と…
◎新作ロードショー 英雄の証明 《4月1日(金)から 東京 渋谷 Bunkamuraル・シネマほかで公開》 金貨を拾った男が正直に届け出たことから、英雄に祭り上げられるが…。SNSを介して広まった噂に翻弄される人々を描くサスペンスドラマ。(2021年 イラン 監督/アスガー・ファルハディ) www.youtube.com
(この記事のあと暫く更新をお休みします。) アルジェントとフルチが共同制作するはずだったのにフルチが急死。〝ルチオ・フルチに捧ぐ…〟というテロップとともに幕を開ける1作。 昔VHSで一度みたきりだった「肉の蠟人形」を久々に鑑賞しました。 同時期・同ジャンルで活躍したアルジェントとフルチ。 それぞれに良さがあると思いますが、アルジェントの方が音楽と映像の繋ぎのセンスが卓越していたりビジュアルの独創性が高く、後年の作品も一定のレベル!?を保てているように思われます。 映画一家に生まれたアルジェントに対しフルチは貧しい家の生まれでもっと苦労人なイメージ。 映画制作においても低予算の中で工夫を凝らして…
「マッキラー」に先駆けてフロリンダ・ボルカンを主演に迎えたルチオ・フルチ監督による71年の作品。 ルチオ・フルチの幻想殺人 デジタル・リマスター版 [DVD] フロリンダ・ボルカン Amazon 評価が高いようで気になっていた作品ですが、大きな破綻なくストーリーが成立しており、悪夢の描写も圧巻。この時期のフルチは本当に凄かったんだなーと感じ入る1本でした。 ストーリーが少々複雑だったので、まずはあらすじを簡単に整理してみたいと思います。 ◆◆◆ ロンドンで裕福に暮らすキャロルは隣に住む自由奔放な美女・ジュリアを殺害する夢をみました。 精神科医にそのことを話すと「奔放になりたい気持ちが奥底にある…
全3項目 ●代表作 ●「TOTAL FILM」の「Horror Icons' Top 10 Horror Films」より10本 ●「e-cinema.com」の「Pascal Laugier : « Les Innocents et L'Exorciste, mes matrices inatteignables »」で語った主な映画19本 「ジュリア・幽霊と遊ぶ女」より 全3項目 ●代表作 「マーターズ」、 「ゴーストランドの惨劇」等 映画監督、脚本家、俳優 等で活躍するパスカル・ロジェが影響を受けた・好きな映画。 ●「TOTAL FILM」の「Horror Icons' Top 10 H…
(あらすじ)ゾンビが人間を襲う状況で4人がスーパーマーケットに避難して生き残ろうとする。ロメロ監督の元祖「ゾンビ」の第二弾。ゾンビ&略奪集団との対決が見せ場です。「鉄板映画:人気スター映画のブログ」 1.フラン(ゲイラン・ロス)テレビ局に勤務。恋人スティーブン、SWAT隊員ピーター、ロジャーとヘリで郊外へ脱出。妊娠中。(『クリープショー』ほか) 2.ピーター(ケン・フォリー)SWAT隊員。過激派のマルチネス一味を捕らえる任務でロジャーと知り合う。祖父はブードゥー教の司祭。(『悪魔のいけにえ3 レザーフェイス逆襲』などに出演。ドルフ・ラングレン『バニシング・レッド』では悲しいぐらいのチョイ役だっ…