お仕事で知り合った方からお薦めいただいて読みました。多分、自分の感性だけでは出会わなかった本。感情を揺さぶられる本でした。 「彼女たちの部屋」(レティシア・コロンバニ著、齋藤可津子 訳、早川書房、2020年6月初版) フランス・パリに実在する困窮女性の保護施設「女性会館(Palais de la Femme)」を舞台にした物語。 宮殿(パレ)とも言えるほどの豪華な建物。 著者はこの女性会館で取材もしているので、登場人物は実在ではなくとも、本の中で語られている、さまざまな女性たちの物語は現実に起きていることなのだろうと思います。 また、この施設設立の物語も織り交ぜられていて、20世紀初頭のパリや…