月曜夜九時からのラジオ放送〈レディオワン〉に、こんなお便りが届きました。 「DJジョンさんは、どうしてそんなに、いぬの気もちが、わかるのですか」 はっはっは。 それはかんたん。ぼくがいぬだからです。 レディオワン/斉藤倫 作/飛ぶ教室の本 光村図書 女子中学生の恋の悩み相談にのってるのは、犬のジョンです。 ジョンはとある理由で、ラジオの中だけは人間の言葉が話せます。 だけどそのことを知っているのは、ラジオ局に勤める西園寺さんとディレクターと数人のスタッフだけで、飼い主もジョンが話せることを知らないのです。 ジョンは子犬だったころ、コンクリートの中で〈ショブン〉されるのに怯えていて、 それを救っ…