入院中の7月22日からレベスティブを使い始めた。この薬は昨年発売されたばかりの新薬で、現在、国内ではまだ120人程度しか利用していないらしい。レベスティブは小腸の絨毛(じゅうもう)を伸ばし、栄養や水分の吸収能力を高める薬である。 薬を使う前は、食事を取っても栄養は全く吸収されず、プレアルブミンの値が下がる一方だった。ストーマからの廃液量も6000mlもあり、食事すればするほど下痢になり、栄養状態が落ちていき、更に脱水となっていくだけであった。医師からは「食事はお楽しみ程度の少量にしましょう、栄養は点滴で」と告げられて、悲観に暮れる毎日だった。 ところがレベスティブを使い始めてひと月半もすると、…