あまりの長さのため学生時代は敬遠してきた本だが、やっと読むことができた。ドストエフスキー というと長編が多く名作は文庫本で1000ページを超えるため、なかなか読めない人も多いかもしれない。この小説は一人称「私」の視点で物語が語られる。「罪と罰」のようにペテルスブルグのような都市で物語が進んでいくのではなく、スクヴォレーシニキという地方都市で物語の大半が行われる。物語の前半は、つまらないかもしれない。バルザックの小説のように、社交界の人が何人か出てきて、その人たちの会話や行動描写が中心である。おそらく、後半まで読み進めず、途中まで読むだけだとこの小説の核心はわからないだろう。この小説の核心は、実…