高橋健太郎 ロック・ステディ期のジャマイカ音楽に米ソウル・ミュージックがもたらした影響 ロック・ステディの流行期にジャマイカ音楽はリズムやサウンドだけでなく、その和声感やムードも大きく変化させた。それはアメリカのソウル・ミュージックの新しい動向に、敏感な反応を示したものでもあった。 サウンド・システムに集うジャマイカの民衆は、なぜかデトロイト産のモータウン・サウンドはあまり歓迎しなかった。モータウンの新しいソウル・ミュージックがアメリカの音楽界を席巻しても、ジャマイカのサウンド・システムでは1950年代に流行したジャンプ・ブルース的なR&Bが好まれ続けた。モータウン以後のアメリカのR&Bの変質…