私が小さな子供だった時分、娯楽といえば友だちと空き地で草野球に興じるか、田んぼでカエル釣りをするか、ライダーカードの見せ合いっこか…そんなものでした。そして家に帰ればとにかく「テレビ」。次の日、学校で友だちと会話を成立させるためには、見ないと始まらない番組がたくさんあったのです。子供たちの生活はテレビを中心に回っていたと言っても間違いではないでしょう。 その頃のテレビには番組はもちろん、個性的なCMが少なくありませんでした。無垢な子供たちにとってそういったCMは「未知の世界を開く扉」のようなものでした。私も深くは理解はできなくとも、未知の世界を獲得したような気分になっていたのを思い出します。 …