フーデリ配達員にとって、坂道はただの地形ではない。 あれは案件である前に、試練である。 地図上では近い。たしかに近い。直線で見れば「すぐそこ」に見える。 だが、問題は距離ではない。 高さである。 フーデリの地図は、たまに残酷だ。 画面上では、ただの線。でも実際には、そこに坂がある。しかも青葉区の坂である。 みたけ台、青葉台、藤が丘、桂台、長津田方面。このあたりを50ccで走っていると、たまに思う。 「これ、配達じゃなくて登山では?」 いや、言いすぎではない。 背中には配達バッグ。前には坂。下ではJOGがうなっている。 もう完全に山岳ステージである。 第一議案:坂道案件、着弾 スマホが鳴る。 ま…