Rollei35
ドイツのフランケ&ハイデッケ社の「ローライ」ブランドで、1967年に最初の製品が発売された、35mmフィルムコンパクトカメラ。
発売時定価6万9000円。設計者ハインツ・ヴァースケ(Heinz Waaske)。
当時全盛を誇ったハーフ版カメラを凌駕する小ささでありながら35mm版フルサイズでの撮影が可能で、業界に衝撃を与えた。
小型化のためレンズを沈胴式にしたり、操作ダイヤルを前面に配置したりといった工夫がなされており、それがデザイン上の大きな特徴となっている。
カールツァイスのレンズ*1、ゴッセンの露出計、デッケルのシャッターを積むなど手抜きのない作りで、高級コンパクトカメラの元祖とも称される。
違うレンズを積んだ機種や廉価版など、全部で9機種が発売された。またゴールド、プラチナ仕上げの限定モデルも存在する。
Rollei35 | Carl Zeiss Tessar 40mm F3.5 or Schnaider Xenar 40mm F3.5 シリーズ初代機 |
Rollei35S | Rollei HFT Sonnar 40mm F2.8 テッサーのかわりにゾナー40mmF2.8を積んだ機種。初代と並んで人気が高い。 |
Rollei35T | Carl Zeiss Tessar 40mm F3.5 or Tessar 40mm F3.5 Made by Rollei 内容は初代と同じ。Sと区別するため末尾にTが付いた。 |
RolleiB35 | Carl Zeiss Triotar 40mm F3.5 or Triotar 40mm F3.5 Made by Rollei トリオター40mmF3.5を積みスローシャッターを省略した廉価版。セレン露出計付き。 |
RolleiC35 | Triotar 40mm F3.5 Made by Rollei B35から露出計を省いた機種。市場では希少な機種。 |
Rollei35TE | Tessar 40mm F3.5 Made by Rollei Tの改良版。露出計をLED式に変更。使用する電池も変更された。 |
Rollei35SE | Rollei HFT Sonnar 40mm F2.8 同じくSの改良版。 |
Rollei35LED | Triotar 40mm F3.5 Made by Rollei B35の露出計をLED式にした機種。 |
Rollei35Classic | Rollei HFT Sonnar 40mm F2.8 1990年に出た復刻版。Sを踏襲しているが、ホットシューの位置が上部に移るなどの改良が加えられている。 |
発売から相当の年月が経っているが、その独特なデザイン、抜群の描写力の虜になっている愛好家は今でも多い。ユニークな操作系もこの写真機の楽しさの一つだが、シャッターをチャージした状態でないと沈胴できない仕様なので注意されたし*3。シリーズ全部で4種類のレンズがある。一つ買うと他のレンズが気になって、また別の機種に手を出す方も多いらしい。
ローライが2002年に出したレンジファインダー機Rollei35RFは、コシナ・フォクトレンダーのBESSA R2を元にした全くの別物だが、当初は距離計付きのローライ35として計画が進められていたらしい。