1. まえがき 一般相対性理論の議論が主流となり、特殊相対性理論は簡単に済まされている。ローレンツ変換の導出過程も杜撰なものが多い。というのも、この理論にとって重要なのはローレンツ変換であって、その導出過程は本質では無い。つまり、ローレンツ変換を原理の一つとしてもよい。 とはいえ、なるべく少ない原理から理論が構成される方が望ましいし、光速度不変は時空の構成に関係しているから、隠れた原理や物理概念の意味がはっきりする。2. 同時の定義の重要性 アインシュタインの論文の最初に述べられる「同時の定義」については、ほとんど議論されず、その意義がほとんど知られていない(省かれたり、同時の相対性と誤解して…