テロの「聖域」と化すパキスタン・アフガン国境(『中央公論』2007年10月号) 米軍の掃討作戦が成功せず、イラクと同様に事態が泥沼化しているパキスタン・アフガン国境。この地域では、今も自爆テロの志願者が列をなしている 裵淵弘(ベ・ヨンホン)/ジャーナリスト 神学校立てこもり事件と自爆攻撃 二〇〇一年九月に発生した米同時多発テロの首謀者、オサマ・ビンラーデンを保護するタリバン政権の駆逐を目指した米軍のアフガニスタン侵攻は、当初の予想に反し、わずか二カ月であっけない幕切れを迎えた。各地に散ったタリバンやアル・カイーダ指導層を追跡するテロとの戦いは、その後も続いたが、米軍の圧倒的な軍事力を目の当たり…