Hatena Blog Tags

ワーキングプア

(一般)
わーきんぐぷあ

仕事には就くものの低賃金を余儀なくされる層。
確かに就労はしているのだが、生活保護の水準以下の収入しか得られない社会層。
当座の生活費を稼ぐことがせいいっぱいで、職業訓練を受けたり転職活動をしたりする余裕を持てないため、生活状況の改善が難しい。
2006年7月24日に21時からNHK総合テレビで放送された「NHKスペシャル」で取り上げられた。

日本社会では、従来ではシングルマザー家庭や、不採算な自営業者など一部にだけに存在していたと考えられるが、近年では長期不況で失職した中高年世帯や、フリーター・派遣社員・偽装請負などの非正規雇用者が増えている若年層においても増加している状況にあり、社会問題化している。

以下は、ワーキングプアに関する英語資料を参考にしたもの。必ずしも日本の現状とマッチするわけではないので注意。

Wikipedia(英)による定義(抜粋)

ワーキングプアとは、低賃金と養育費支払いのために、正規雇用に就いているにもかかわらず、貧困に近い状態にある個人や家族を指して使われる言葉。しばしば彼らは、純資産に対して負債の方が多い状態にあり、個人的、経済的な臨時出費を免れる能力を欠いている。時として、彼らは給付金を拒否し、貧困ライン上かそれより上の収入を望まないライフスタイルを好むこともある。ただし調査研究からは、そうした人びとが実際に含まれているかどうかは分かっていない。

米国における「ワーキングプア」

労働統計局は2000年にワーキングプアの数を640万人と推計、2003年には急激に増加して740万人となった。ビジネス・ウイーク誌によると、18歳以上で仕事があり、時給9ドル以下、フルタイム賃金が一年に18800ドル以下の人、および四人家族で連邦政府の定める貧困ライン以下の人びとが、2004年で2800万人いるという。

この数字が正しいかどうかについてはウェブ上でも論争がある模様。

ワーキングプアが直面する問題

市場で通用するスキルを持っていない労働者が直面するのは、低賃金、潜在的な経済搾取、望ましくない労働環境、そして自らの個人的、経済的環境を脱するに足るスキルを磨く機会が減るということだ。場合によっては、ワーキングプアの人びとがパートタイムの仕事を掛け持ちすることもあり、実際にはフルタイム雇用に近い時間を働いているのに、「パートタイム労働者」としてカウントされる場合もある。この場合、医療保険のような給付金は雇用者からは支払われない。こうした状況は不安定雇用などと呼ばれる。

ワーキングプア状態は、通常「その日暮らし(Paycheck to Paycheck=月々の給料でギリギリの生活をすること)」と表現される。(医療費や修繕費のような)予期しない支出は、経済的能力の更なる低下を招く。

デイヴィッド・K・シプラーによる記述

The Working Poor: Invisible in America

The Working Poor: Invisible in America

ワーキング・プア―アメリカの下層社会

ワーキング・プア―アメリカの下層社会

  • 作者: David K. Shipler,デイヴィッド・K.シプラー,森岡孝二,川人博,肥田美佐子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/01/30
  • メディア: 単行本
  • 購入: 3人 クリック: 66回
  • この商品を含むブログ (27件) を見る

D.Shiplerの"The Working Poor: invisible in america"(2004年)によると、米国におけるワーキングプアの存在は、景気変動や人種に関係のないものだという。以下は役所の序文から抜粋。

この国の経済の浮沈は彼らにあまり大きな影響を与えなかった。彼らは好況時にも不況時にも苦しんでいた。なかには脱力状態のうつ病に陥り、諦め、無力感、敗北感を感じている者もいた。彼らは、カール・サンドバーグ(アメリカの詩人、1878-1967)の言葉を借りれば、「希望に疲れ、夢もない」状態であった。しかし、なかには自分の夢と決断力を持っていて、仕事の能力を信じ、やる気に満ちた人々もいる。彼らはめったに自分の状況に腹を立てることはなかったが、怒りが表に出るときには、しばしば間違って配偶者や子どもや同僚に対して向けられる。上司や政府や国や富裕層を非難してよさそうな場合でもたいていそうしない。彼らはよく自分自身を責めるが、そうするのがもっともなときもある。

私は人口統計から見た代表例を描こうとしたわけではないが、この国が概してそうであるように、本書のワーキング・プアの大半も女性である。彼女らは、多くの場合、結婚していない子持ちであり、低い収入と育てている子どもの高い要求に苦しんでいる。私が取り上げた人の多くはアメリカ市民であるが、その労働がこの国の成長と安らぎのために不可欠な合法・不法の移民もいる。

本書に登場する人々は白人、黒人、アジア系、ヒスパニック(スペイン語を話す中南米系の人)である。アメリカの貧困には民族的、人種的な境界はない。アフリカ系アメリカ人は、彼らの多くが通う劣悪な公立学校のなかで、彼らの多くが住む荒廃した近隣地域のなかで、彼らを今なお苦しめる固定観念と人種差別のなかで、特別な困難にぶつかっている。肉体労働の地位から管理的地位へ抜け出そうとするときにはとくにそうである。奴隷制の遺物は今なお消え去っておらず、アメリカにおける人種的偏見の長い歴史のために、低所得のアメリカ人のなかには人口比から見ると著しく不比例に黒人が多い。とはいえ、貧困はまたあらゆる人種の人々を苦しめる普遍的な苦難を意味する。労働社会の底辺にいる白人も、黒人が堪え忍んでいる障害のすべてではないにせよ、その多くに苦しめられている。

このタグの解説についてこの解説文は、すでに終了したサービス「はてなキーワード」内で有志のユーザーが作成・編集した内容に基づいています。その正確性や網羅性をはてなが保証するものではありません。問題のある記述を発見した場合には、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

ネットで話題

もっと見る

関連ブログ