イギリス社会における宗教的な基層について――グレアム・グリーンの『情事の終わり』をめぐって 2012-02-29 08:20:07 テーマ:歴史と文学 以下の文章はグレアム・グリーン『情事の終わり』の中の、サラァが亡くなったあと、臨終の秘蹟をめぐるサラァの夫ヘンリとベンドリックスの会話です。 ”ベンドリックス、ぼくはどうしていいかわからないんだ。実に厄介なことが持ち上がっているんだよ。彼女が詭言をいうようになってから(だからもちろん、彼女には責任がなかったわけだが)看護婦がぼくに、病人はしきりに、神父を呼んでくれと言っていると言う。少なくとも、Father,Father,と呼び続けているんだが…