一般財団法人は、日本の一般社団法人及び一般財団法人に関する法律に基づいて設立された財団法人のこと。 略記は「(一財)」。 公益財団法人と違い、事業に制限が無い。 なお、非営利型の一般財団法人については、公益目的事業(34の収益目的事業を除く)に対して、法人税は非課税となるほか、34の収益目的事業に対しても法人税率は30%、所得金額800万円以下については22%の軽減税率が適用される。
私たちが日常的に口にする、海の幸。その新鮮で美味しい魚介類が安定して食卓に届けられる背景には、漁師たちが働く拠点である「漁港」、魚を育む豊かな「漁場」、そして漁業者の生活の場である「漁村」という、3つの要素が健全に機能していることが不可欠です。しかし今、日本の沿岸地域は、担い手不足や高齢化、インフラの老朽化、そして気候変動による海洋環境の変化など、数多くの複合的な課題に直面しています。 これらの課題に対し、科学的な調査研究に基づいた解決策を提示し、日本の水産業の未来を支えるシンクタンクが存在します。今回は、漁港・漁場・漁村に関する総合的な研究機関である「一般財団法人 漁港漁場漁村総合研究所(漁…
国際社会の発展と平和に不可欠な、国境を越えた人材の交流。その未来を担う若者たちを、経済的な側面から支援することは、社会全体にとって極めて価値のある投資です。日本と世界各国の学生に、学びの機会を提供し続けるためには、その活動を支える、揺るぎない財政基盤が求められます。 今回は、1999年の設立以来、四半世紀にわたって国内外の学生への奨学金給付事業を行ってきた「一般財団法人都築国際育英財団」の決算を分析します。営利を目的としない「財団法人」は、どのような財務状況にあるのか。その社会貢献活動を、未来永劫続けるための、驚くほど堅実な経営の実態に迫ります。 【決算ハイライト(第25期)】資産合計: 1,…
「夢の国」を運営し、日本中にハピネスを届けてきた株式会社オリエンタルランド。その企業が、未来を担う子どもたちの夢と希望を支えるために、新たな社会貢献活動へと大きく一歩を踏み出しました。2024年8月に設立された「一般財団法人オリエンタルランド子どものハピネス財団」は、経済的な理由で進学を諦めることのないよう、学生への給付型奨学金事業を開始します。 今回は、設立後初となる同財団の第1期決算を分析します。官報に示されたその財務諸表には、約580億円という巨額の資産でスタートした驚くべき実態が記されていました。この新しい財団が目指すものと、その驚異的な財務基盤の背景に迫ります。 【決算ハイライト(第…
スマートフォンで誰もが気軽に高画質な写真を撮影できる現代。しかし、その手軽さの背景には、100年以上にわたるカメラ技術の革新と、写真という文化を育んできた先人たちの情熱の歴史があります。その貴重な歴史的遺産を収集・保存し、後世に伝えるという重要な使命を担っているのが「一般財団法人日本カメラ財団」です。 今回は、東京・半蔵門で「日本カメラ博物館」を運営する同財団の決算内容を分析します。文化事業という非営利活動を、いかにして安定的に継続させているのか。官報に示されたその財務諸表から、驚くほど堅牢な経営基盤と、ユニークな事業モデルの秘密に迫ります。 【決算ハイライト(第13期)】資産合計: 5,76…
ゲームやエンターテインメントで世界を席巻するセガサミーグループ。その創造性の源泉はどこにあるのでしょうか。同グループは、自社の事業が「創造産業」であり、その基盤となる先端的な文化芸術を社会全体で支えることが企業の責務である、という明確な哲学を持っています。今回は、その哲学を実践するため、特に現代舞踊(コンテンポラリーダンス)の振興に情熱を注ぐ、一般財団法人セガサミー文化芸術財団の決算を読み解きます。非営利の財団法人の財務状況から、その活動の安定性と未来への展望に迫ります。 【決算ハイライト(7期)】資産合計: 31百万円 (約0.3億円)負債合計: 2百万円 (約0.02億円)純資産合計(正味…
地域の未来を担う若者への教育支援と、デジタル時代に失われつつあるアナログ写真文化の継承。一見すると全く異なる二つの社会貢献活動を、半世紀近くにわたり静かに、しかし力強く支え続けている財団があります。その活動の原点は、福島県いわき市の炭鉱事業で財を成した一人の実業家の「社会への恩返し」の想いでした。 今回は、福島県を拠点に奨学金事業を、そして東京を拠点に写真文化事業を展開するという、ユニークな二つの顔を持つ「一般財団法人戸部記念財団」の決算を読み解きます。営利を目的としない一般財団法人の決算書から、その崇高な理念を支える、完璧とも言える財務の健全性に迫ります。 【決算ハイライト(第13期)】資産…
私たちの社会基盤を支える建設産業は、今、深刻な「担い手不足」という課題に直面しています。高齢化が進む一方で、若手の入職者は伸び悩み、このままでは日本のインフラを維持・発展させることが困難になるかもしれません。このような状況を打開すべく、建設産業の未来を担う人材の育成に特化した支援を行っているのが、今回ご紹介する「一般財団法人戸田みらい基金」です。 今回は、建設大手である戸田建設株式会社によって設立された同財団の第9期決算を読み解き、その財務の健全性と、建設業界の未来をどのように支えようとしているのか、具体的な事業内容から探っていきます。 【決算ハイライト(第9期)】資産合計: 2,234百万円…
企業の社会貢献活動(CSR)の一環として、未来を担う人材の育成や、科学技術の発展を支援するために設立される「育英会」や「財団法人」。経済的な理由で学びの機会を諦めざるを得ない学生に奨学金を給付したり、世界を変える可能性を秘めた学術研究に助成金を交付したりと、その活動は私たちの社会の未来を形作る上で、非常に重要な役割を担っています。 今回分析するのは、2023年に設立されたばかりの新しい育英財団、一般財団法人ヨコオ育英会です。その背後には、自動車用アンテナやスマートフォン・医療機器に使われる精密なコネクタで世界的なシェアを誇る、東証プライム上場企業「株式会社ヨコオ」の存在があります。設立から2期…
こころの健康が社会の重要なテーマとなる現代。精神的な不調は、本人だけでなく、支える家族にも大きな影響を及ぼします。専門的な医療や相談を通じて、こうした家族全体を支え、穏やかな日常を取り戻す手助けをする、専門機関の存在意義は計り知れません。営利を第一とせず、長年にわたり、精神保健医療の分野で社会貢献を続けてきた財団法人は、どのような経営を行っているのでしょうか。 今回は、東京都内で二つの精神科クリニックを運営し、特に「家族の精神保健医療相談」に力を注いできた、一般財団法人小峰研究所の決算を読み解きます。その貸借対照表に示されたのは、総資産の9割以上を自己資本で賄う、驚異的な財務基盤。非営利法人が…
地域の歴史や伝統芸能を未来へ繋ぐお祭り、川辺の風に吹かれながら楽しむ音楽祭、そして市民が自らの手で創り上げる文化祭。こうした文化活動は、私たちの暮らしに彩りと潤いを与え、地域への愛着や誇りを育む、かけがえのない宝物です。しかし、これらの活動は誰かが企画し、運営し、支えなければ、簡単に失われてしまいます。そこには、地域の文化の灯を絶やすまいと、情熱を持って奔走する人々の姿があります。 今回は、大阪府池田市を拠点に、「いけだ春団治まつり」や「Jazz Picnic in 猪名川」といった多彩な文化事業を手掛け、池田市民文化会館(アゼリアホール)などの文化施設を運営する、一般財団法人いけだ市民文化振…