―その524― ●歌は、「雉鳴く高円の辺に桜花散りて流らふ見む人もがも」である。 奈良市法蓮佐保山 万葉の苑(27)万葉歌碑(作者未詳 さくら) ●歌碑(プレート)は、奈良市法蓮佐保山 万葉の苑(27)にある。 ●歌をみていこう。 ◆春▼鳴 高圓邊丹 櫻花 散流歴 見人毛我母 (作者未詳 巻十 一八六六) ※▼は「矢に鳥」である。「春▼」で「きざし」と読んでいる。 ≪書き下し≫雉(きざし)鳴く高円(たかまと)の辺(へ)に桜花散りて流らふ見む人もがも (訳)雉(きじ)が鳴く高円の山のあたりに、桜花が、吹く風に散っては流れている。誰か一緒に見る人があればよいのにな。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 …