万葉歌碑巡り

●歌は、「足の音せず行かむ駒もが葛飾の真間の継橋やまず通はむ」である。 千葉県市川市真間四丁目「真間の継橋」横 万葉歌碑（作者未詳） ２０２４１２０１撮影 ●歌碑は、千葉県市川市真間四丁目「真間の継橋」にある。 ●歌をみていこう。 ◆安能於登世受 由可牟古馬母我 可豆思加乃 麻末乃都藝波思 夜麻受可欲波牟 （作者未詳 巻十四 三三八七） ≪書き下し≫足（あ）の音（おと）せず行かむ駒（こま）もが葛飾の真間（まま）の継橋（つぎはし）やまず通（かよ）はむ （訳）足音を立てずに行くような駒でもあったらなあ。そしたら、その駒で、葛飾の真間の継橋を、しょっちゅう通うことができよう。。（伊藤 博 著 「万葉…

―その２７９３（１）― ●歌は、「葛飾の真間の浦みを漕ぐ舟の舟人騒く波立つらしも （作者未詳 14-3349）」である。 千葉県市川市真間大門通り万葉歌碑（プレート）（１２－①）（作者未詳） ２０２４１２０１撮影 ●歌碑（プレート）は、千葉県市川市真間大門通り（１２－①）である。 ●歌をみていこう ◆可豆思加乃 麻萬能宇良未乎 許具布祢能 布奈妣等佐和久 奈美多都良思母 （作者未詳 巻十四 三三四九） ≪書き下し≫葛飾（かつしか）の真間（まま）の浦（うら）みを漕（こ）ぐ舟の舟人（ふなびと）騒（さわ）く波立つらしも （訳）葛飾の真間の浦辺、あれ、あそこを漕いでゆく舟の舟人たちが、せわしく動き廻っ…

●歌は、「霞立つ野の上の方に行きしかばうぐひす鳴きつ春になるらし」である。 千葉県市川市真間大門通り万葉歌碑（プレート）（１０）（大伴三林） ２０２４１２０１撮影 ●歌碑は、千葉県市川市真間大門通り（１０）にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「丹比真人乙麻呂歌一首 屋主真人之第二子也」＜丹比真人乙麻呂（たぢじのまひとおとまろ）が歌一首 屋主真人（やぬしのまひと）が第二子なり＞である。 ◆霞立 野上乃方尓 行之可波 鸎鳴都 春尓成良思 （丹比真人乙麻呂 巻八 一四四三） ≪書き下し≫霞立つ野の上（うへ）の方（かた）に行きしかばうぐひす鳴きつ春になるらし （訳）霞のかかっている野山のあたりに出か…

―その２７８８― ●歌は、「なつきにし奈良の都の荒れゆけば出で立つごとに嘆きし増さる」である。 千葉県市川市真間大門通り万葉歌碑（プレート）（７）（田辺福麻呂） ２０２４１２０１撮影 ●歌碑（プレート）は、千葉県市川市真間大門通り（７）にある。 ●歌をみていこう。 ◆名付西 奈良乃京之 荒行者 出立毎尓 嘆思益 （田辺福麻呂 巻六 一〇四九） ≪書き下し≫なつきにし奈良の都の荒れゆけば出（い）で立つごとに嘆きし増（ま）さる （訳）すっかり馴染となった奈良の都が日ごとにあれすさんでゆくので、外に出で立って見るたびに、嘆きはつのるばかりだ。（同上） （注）なつきにし：慣れ親しんだ。以下、荒都への率…

―その２７８２― ●歌は、「葦辺行く鴨の羽交ひに霜振りて寒き夕は大和し思ほゆ」である。 千葉県市川市真間大門通り（１）万葉歌碑（プレート）（志貴皇子） ２０２４１２０１撮影 ●歌碑（プレート）は、千葉県市川市真間大門通り（１）にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「慶雲三年丙午幸于難波宮時 志貴皇子御作歌」＜慶雲（きやううん）三年丙午（ひおえうま）に、難波（なには）の宮に幸（いでま）す時 志貴皇子（しきのみこ）の作らす歌＞である。 （注）慶雲三年：７０６年、文武天皇時代。 ◆葦邊行 鴨之羽我比尓 霜零而 寒暮夕 倭之所念 （志貴皇子 巻一 六四） ≪書き下し≫葦辺（あしへ）行く鴨（かも）の羽交…

●歌は、「葛飾の真間の浦みを漕ぐ舟の舟人騒く波立つらしも」である。 ●歌碑（プレート）は、千葉県市川市真間 入江橋南東角にある。 千葉県市川市真間 入江橋南東角「江戸川河口説明案内板」 ２０２４１２０１撮影 ●歌をみていこう。 ◆可豆思加乃 麻萬能宇良未乎 許具布祢能 布奈妣等佐和久 奈美多都良思母 （作者未詳 巻十四 三三四九） ≪書き下し≫葛飾（かつしか）の真間（まま）の浦（うら）みを漕（こ）ぐ舟の舟人（ふなびと）騒（さわ）く波立つらしも （訳）葛飾の真間の浦辺、あれ、あそこを漕いでゆく舟の舟人たちが、せわしく動き廻っている。波がしきりに立つのであるらしい。（伊藤 博 著 「万葉集 三」 …

●歌は、「にほ鳥の葛飾早稲をにへすともその愛しきを外に立てめやも」である。 ●歌碑（「かつしか田園の記」碑の裏に万葉歌が刻されている。）は、千葉県船橋市印内町春日神社にある。 「かつしか田園の記」碑（表：左）と同（裏：右） ２０２４１２０１撮影 歌の箇所を明示 ２０２４１２０１撮影 ●歌をみていこう。 ◆尓保杼里能 可豆思加和世乎 尓倍須登毛 曽能可奈之伎乎 刀尓多弖米也母 （作者未詳 巻十四 三三八六） ≪書き下し≫にほ鳥（どり）の葛飾（かづしか）早稲（はせ）をにへすともその愛（かな）しきを外（と）に立てめやも （訳）にほ鳥が水に潜（かず）くというではないが、葛飾の早稲（わせ）の新穂（にいほ…