君に恋ひうらぶれ居れば悔しくも我が下紐の結ふ手いたづらに 読人不知 (萬葉集 第十一巻 2409) 当時、「下着の紐(=下紐)が勝手にほどけると、好きな男性が訪ねてきてくれる」というおまじない信仰があったんですね。この時代は「通い婚」つまり女性の家へ男性が通う結婚が普通。女性としては、自ら男性の家へ訪ねることはできない。男性が来てくれるのを待つのみでした。おまじないに頼りたくなりもなります。LINEも送れないし。 というわけで、下着の紐がほどけると、「あの人がやってくる予感」とわくわくするのが、当時の考え方でした。おまじないの意味するところが露骨ですね。(*◡̈) 眠れないほどおもしろい万葉集…