訓読 >>> 3991もののふの 八十伴(やそとも)の男(を)の 思ふどち 心(こころ)遣(や)らむと 馬(うま)並(な)めて うちくちぶりの 白波の 荒磯(ありそ)に寄する 渋谿(しぶたに)の 崎(さき)た廻(もとほ)り 松田江(まつだえ)の 長浜(ながはま)過ぎて 宇奈比川(うなひがは) 清き瀬ごとに 鵜川(うかは)立ち か行きかく行き 見つれども そこも飽(あ)かにと 布勢(ふせ)海に 船浮け据(す)ゑて 沖辺(おきへ)漕(こ)ぎ 辺(へ)に漕ぎ見れば 渚(なぎさ)には あぢ群(むら)騒(さわ)き 島廻(しまみ)には 木末(こぬれ)花咲き ここばくも 見(み)のさやけきか 玉くしげ 二上…