訓読 >>> 2748大船(おほぶね)に葦荷(あしに)刈り積みしみみにも妹(いも)は心に乗りにけるかも 2749駅路(はゆまぢ)に引き舟渡し直(ただ)乗りに妹(いも)は心に乗りにけるかも 要旨 >>> 〈2748〉大船に刈り取った葦をどっさり積んだように、あなたは私の心にどっしりと乗りかかってしまったよ。 〈2749〉宿駅の渡し場から舟を引いて一直線に向こう岸に渡るように、彼女はまっしぐらに私の心に乗りかかってしまった。 鑑賞 >>> 「寄物陳思(物に寄せて思いを述べた歌)」。2748の上2句は「しみみに」を導く序詞。「しみみに」は密集しているさま。2749の上2句は「直乗り」を導く序詞。「駅…