この映画、2012年に一度観ているのだけど*1、11年を経て記憶に残っていたのは桃中軒雲右衛門というのは厳しい人だったなあということだけ。 近年、「人生劇場」*2などで、いぶし銀の月形龍之介さんの魅力に気付き、そういえばと主演のこの映画を再見したのだけど、月形さんだけでなく、この11年の間に頭に蓄積してきた旧作邦画俳優たちの活躍場面が彩りとなり、なお一層楽しい鑑賞となった。 前回の感想を読んでいると、藤原釜足氏の飄々とした感じに注目していたが、確かに今回も釜足氏にまず心が動く。幼き桃中軒を拾った門付け芸的なものをしてきたおじいさん役で、雲右衛門が東京の舞台でも凱旋公演できるようになったことが嬉…