三陸復興国立公園は日本の国立公園の1つ。
東北の三陸海岸を中心とする国立公園で、東日本大震災により被災した三陸地域の復興に貢献するため2013年5月24日に指定された。
岩手県から宮城県にかけて指定されていた「陸中海岸国立公園」に、青森県の「種差海岸階上岳県立自然公園」を編入する形で改称・指定された。
2015年3月31日、宮城県の「南三陸金華山国定公園」を編入し、さらに、「県立自然公園松島」など同県の2つの県立公園も順次編入する予定。
南北の延長は約220km、北部は「海のアルプス」とも賞される豪壮な大断崖、南部は入り組んだ地形が優美なリアス海岸が続く。海岸にはウミネコやオオミズナギドリなどの海鳥の繁殖地があり、野生生物を間近に観察することができる。八戸・宮古・釜石・大船渡・気仙沼など日本有数の水揚げを誇る漁港を有しており、新鮮な海の幸を味わうことができるのも魅力である。
また、津波の脅威を学んでもらう場所として、被災したキャンプ場を保存する他、青森県八戸市から福島県相馬市までの約700キロを「みちのく潮風トレイル」として遊歩道を整備していく予定。
面積は陸域1万4635ヘクタール。
海域4万1300ヘクタール。
主な景勝地
- 青森県
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- 蕪島[八戸市]
- ウミネコ繁殖地として、国の天然記念物に指定されている。
- 白浜海水浴場[八戸市]
- 環境省指定の「快水浴場100選」にも選ばれている。
- 階上岳[階上町]
- 青森県階上町と岩手県洋野町の境にある標高 739.6mの山。
- 別名 臥牛山(がぎゅうざん)。ツツジの群生地であり、観光客が訪れる。
- 岩手県
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- 小袖海岸[久慈市]
- 花崗岩の岩礁、海食洞などと自然の植生が織り成す風景が見れる他。
- 素潜り漁が行われており、「北限の海女」の名称で広く知られている。
- 十府ヶ浦[野田村]
- 紫色の小豆砂に覆われ、ゆるやかな弧を描く長さ3キロにも及ぶ海岸。
- 秋には丸い実を結ぶハマナスの群生地がある。
- 黒崎[普代村]
- 100m以上の断崖が連なり、普代浜、野田、久慈方面を一望できる。
- 北山崎[普代村]
- 200メートルの切り立った断崖が8キロに続く陸中海岸を代表する景勝地。
- 雲のような霧が断崖麓の海面を覆う神秘的な現象が見れる。
- 鵜の巣断崖[田野畑村]
- 太平洋に沿って標高200mにも及ぶ大規模な断崖絶壁となっており、太平洋に突き出したような地形が特色。
- 由来は中腹にウミウ及びカワウの営巣地があることに因む。
- 茂師海岸[岩泉町]
- アンモナイトなど1億年前の貝化石が数多く発見されている。
- 日本で初めての草食性大型恐竜の化石が発見された。
- 熊の鼻[岩泉町]
- 小本海岸の南に突き出た半島が、熊の頭と鼻先に似ていることが名の由来。
- 三王岩[宮古市]
- 通称男岩、女岩、太鼓岩からなり、1億年もの歳月をかけて、寄せ返す波と風が形作った奇岩。
- 周辺には遊歩道が整備されており、散策や磯遊びに絶好の場所。
- 潮吹穴[宮古市]
- 海食洞(波の浸食でできた洞窟)に、大きな波が打ち寄せ波の圧力に押されて海水が地上に吹き出す。
- 全国でも屈指の大きさで、時には30メートルもの潮を吹き上げます。
- 浄土ヶ浜[宮古市]
- 「さながら極楽浄土のごとし」という霊鏡和尚の言葉から名付けられた。
- 鋭くとがった白い岩肌と松の緑、海の群青とのコントラストが美しい海岸で、陸中海岸国立公園を代表する景勝地。
- 赤平金剛[山田町]
- 船越半島の霞露ヶ岳(504.2m)の中腹が、一気に海に落ち込んでできた大絶壁。
- 三貫島[釜石市]
- オオミズナギドリやヒメクロウミツバメ、ウミネコなどの海鳥の繁殖地。
- 碁石海岸[大船渡市]
- 陸中海岸国立公園南部地域を代表する景勝地です。
- 海に浮かぶ奇岩「穴通磯(あなとおしいそ)」は3つの穴が開き、小型遊覧船(サッパ船)でくぐることができる。
- 高田松原[陸前高田市]
- 砂浜とクロマツの防風林が2kmも続いており、夏には海水浴場となる。
- 震災による津波の影響でほぼ全ての松がなぎ倒され壊滅した。
- 奇跡的に1本の松だけ倒れずに残り、この松は震災直後から復興のシンボルと捉えられ、「奇跡の一本松」「希望の松」などと通称されるようになった。
- 宮城県
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- 巨釜半造[気仙沼市]
- 隕石の衝突と火山活動で砕けた石灰岩が海水と混ざり溶岩熱で変質した熱変成岩地帯。
- 気仙沼大島[気仙沼市]
- 気仙沼大島全体が透き通るような海に囲まれています。
- 岩井崎[気仙沼市]
- 石灰岩の岩場が続く岬で、波の高い日、吹き潮を見る事ができる。